「Vライバーになりたいけれど、何から始めればいいか分からない」「アバターの作り方が複雑そうで不安」と感じていませんか。
現在、Vライバーとして活動を始める主な方法は、「配信アプリ内で完結させる」「既存モデルを利用する」「オリジナルモデルを制作する」の3つに大きく分かれます。
本記事では、それぞれの特徴と、デビューまでの具体的な工程を、初心者の方にも分かりやすいように段階的に解説します。
- 3パターンのVライバーの作り方と、概ねのコスト感・自由度の違い
- 2D/3Dどちらで始めるかを決める際の考え方
- キャラクターデザイン〜モデリング〜配信設定までの実務ステップ
- 代表的なソフト・機材と、無料〜有料それぞれの現実的な選び方
費用感やソフト構成もパターン別に整理しているため、「まずは無料〜低コストで試してみる」「長期活動を見据えてしっかり投資する」といったケースごとに、どの選択肢が現実的か検討しやすい内容となっています。
自分の予算とPC・スマホ環境、目指したい活動スタイルに合わせて、現実的なVライバーの作り方とステップを検討する際の参考にしてください。
Vライバーの作り方・なり方は大きく3つの方法がある

Vライバーの作り方・なり方は、大きく分けると「配信アプリ内で完結させる」「既存のモデルを使う」「オリジナルモデルを制作する」の3パターンです。
3つの方法を、コストと自由度、デビューまでのスピードという観点で一覧にして整理しているので、検討の出発点として参考にしてください。
| 方法 | コスト | 自由度・クオリティ | デビューまでの速さ | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 配信アプリ内でアバター作成 | 無料〜低コスト | カスタマイズは限定的 | 最速クラス(条件が合えば当日中も可能) | まず試したい初心者、スマホ中心で配信したい人 |
| 既存モデルを購入/DL | 無料〜中コスト | ほどほどに個性を出せる | 必要な準備が整えば数日〜1週間程度が目安 | 手間を減らしつつ見た目も重視したい人 |
| オリジナルモデルを制作 | 中〜高コスト | 自由度・完成度が高い | 数週間〜数か月かかることが多い | 長期活動を前提に本格デビューしたい人 |
「とりあえず無料〜低コストで試したい」「イラスト制作やモデリングの時間がない」「しっかりデザインにこだわって活動したい」など、状況によって最適な作り方は変わります。
ここでは、代表的な配信アプリやソフトの例を挙げながら、コスト・手間・自由度といった観点で比較していくので、自分に当てはまるのはどれか考えてみましょう。
配信アプリ内でアバターを作ってデビューする
配信アプリ内でアバターを作る方法は、Vライバーの作り方の中でも「もっとも簡単かつ無料で始めやすい」選択肢とされています。
専用のPCソフトやイラスト制作環境を用意しなくても、スマホひとつでキャラクターを作成し、そのままライブ配信まで完結できるアプリが増えています。
代表的なアプリとしては、スマホだけで3Dアバターを作って配信できる「REALITY」などがあり、公式の詳細はREALITY公式サイトからも確認してみてください。
また、アプリによっては2D寄りのアバターでカジュアルに動画配信ができるサービスもあります。
アプリ内のパーツ(髪型・目・服・アクセサリーなど)を組み合わせるだけなので、キャラクターデザインに自信がない場合でも気軽に試せるのが大きな魅力です。
そのままワンタップ(または数タップ)で配信を開始できるため、PC配信に比べると非常に手軽に始められます。
面倒なモデリング工程や素材探しがないため、「Vライバーになりたいけれど、何から手を付けたらいいか分からない」という人の最初の一歩に向いているといえるでしょう。
一方でアプリ内アバターにはいくつかの制約があります。
たとえば利用できるパーツは決まっているため、完全なオリジナルキャラクターを作ることはできません。
また、そのアプリ以外の配信ソフト(OBS Studioなど)にアバターをエクスポートできないケースも多く、後から活動の場をYouTubeや他のサイトに広げたいときに制限になる可能性があります。
対応状況はアプリごとに異なるため、事前に利用規約や機能説明を確認しておくと安心です。
既存モデルを購入またはダウンロードして始める
既存モデルを購入またはダウンロードして使う方法は、「アバターのクオリティを上げつつ、制作の手間を大きく減らしたい人」に向いたVライバーの作り方です。
すでに完成している2D・3Dモデルや、その原型となるイラストを入手し、対応する配信用ソフトに読み込んで活動を始めます。
具体的には、以下のような入手経路があります。
- BOOTHなどのダウンロードサイトで、個人クリエイターが販売しているLive2Dモデルや3Dモデルを購入する
- 商用利用可能な無料モデルを配布している企業・制作者のサイトからダウンロードする
- VRoid Hubなどで配布されている3Dアバターを、各プラットフォームの利用規約の範囲で活用する
こうしたモデルの多くは、あらかじめモデリングやリギングが済んでおり、表情や動きも設定されています。
配信者側は、VTube Studioなどのトラッキングソフトや、Webカメラ対応の3D配信ソフトにモデルを読み込み、フェイストラッキングの設定を行うだけで、比較的短期間でデビューすることが可能です。
アプリ内アバターよりもデザインの幅が広く、立ち絵イラストとしてサムネイルや自己紹介画像に流用できる素材が同梱されていることも多いのが利点です。
既存モデルを使う場合は、必ず利用規約やライセンスを確認する必要があります。
「商用配信OKだが、二次配布NG」「個人利用のみで企業案件には使えない」など、作品ごとに条件が異なります。
Vライバーとして収益化や企業とのコラボ活動を視野に入れている場合は、最初からそのような用途が許可されたモデルを選びましょう。
利用範囲が不明な場合は、制作者に問い合わせるか、利用を控えるのが安全です。
既存モデルは「他の配信者とかぶる可能性がある」という点も理解しておきたいところで、とくに無料モデルや人気のあるテンプレートは利用者が多く、「あの人と同じアバターだ」と視聴者に気づかれることもあります。
個性を出したい場合は、色替えや衣装追加など、規約の範囲でカスタマイズを行う、あるいは後述のオリジナルモデル制作に移行するタイミングを見計らうとよいでしょう。
オリジナルのモデルを制作して本格デビューする
オリジナルのモデルを一から制作する方法は、「自分だけのキャラクターで長く活動したいVライバー」に最も向いた作り方です。
イラストからモデリング、動きの設定までをオーダーメイドで作るため、費用や時間はかかりますが、その分だけ世界観やデザインの自由度が高くなります。
制作の流れとしては、まずキャラクターの設定やビジュアルの方向性を固め、立ち絵イラストや3Dモデルの原型となるデザインを用意します。
そのうえで、2DであればLive2D用のパーツ分けイラストを描き、モデラーがモデリング・動作設定を行ってください。
3Dの場合は、VRoid Studioなどのソフトでベースを作り、必要に応じて外部ツールで細部を調整しながら、リギングや表情設定を進めていきます。
この工程をすべて自分で作成することもできますし、イラストレーターやモデラーに依頼することも可能です。
「キャラクターデザインとイラストは好きな絵師さんにお願いし、Live2Dモデリングは別の専門の方に頼む」といった分業もよく行われています。
依頼する場合は、著作権の扱いや商用利用の可否、改変・グッズ制作の範囲、クレジット表記のルールなどを事前に確認しておくことが重要です。
オリジナルモデル制作のメリットは、配信だけでなく、動画投稿・グッズ展開・イベント出演など、活動の幅を広げやすい点にあります。
ロゴや配信画面、待機画面などの素材とデザインを統一すれば、ブランドとしての印象も強まり、視聴者から「この人らしさ」が伝わりやすくなるでしょう。
自分だけのVライバーを作るステップ1:キャラクターデザインの方向性を決める
オリジナルのVライバーを作るときは、いきなりイラストや3Dモデルの制作に入るのではなく、「どんなキャラクターとして活動したいか」を先に固めることが重要だとされています。
このステップでは、性格や話し方といった”中身”と、ビジュアル面の方向性、そしてデザイナーへ依頼する際の準備を整理していきます。
ここでしっかり方向性を決めておくことが、長く活動を続けるための土台づくりにつながりやすくなるでしょう。
以下の表では、キャラクターデザインを考える際に整理しておきたい項目を一覧にしているので、自分のVライバー像を具体化するチェックリストのたたき台として活用してみてください。
| カテゴリ | 主な項目 | 考えるポイント |
|---|---|---|
| 中身(人格・設定) | 性格、口調、得意分野、配信スタイル、世界観設定 | 自分の素に近づけるか、演じるキャラに寄せるか、活動ジャンルとの相性 |
| ビジュアル | 年齢感、性別・属性、髪型・髪色、服装、カラーリング、モチーフ | 一目で分かる特徴があるか、活動内容と大きなギャップがないか、描きやすさ・動かしやすさ |
| 実務的な条件 | 使用予定ソフト、2D/3D、予算、納期、商用利用の範囲 | 長期活動・収益化を見据えた条件か、依頼先と共有できているか |
これらを最初に整理しておけば、後のイラスト制作やモデリング、配信準備まで一貫した「自分だけのVライバー像」を保ちやすくなります。
次の見出しからは、具体的にどのように決めていけばよいかを順番に見ていきましょう。
性格・話し方など”中身”の設定
性格や話し方などの「中身」は、Vライバーとしての活動スタイルやファン層を左右する大事なポイントです。
見た目のデザインより先に、「このキャラクターはどんな人で、どんな配信をするのか」をざっくり決めておきましょう。
まず決めやすいのは、「自分の素に近いキャラでいくか」「完全に演じるキャラでいくか」という軸です。
自分に近い性格や口調にすると、長時間のライブ配信でも無理なく話し続けやすく、雑談やゲーム配信でも自然体で話せます。
一方で、キャラをしっかり作り込むと、世界観の強い企画やストーリー性のある動画と相性が良くなります。
次に、「どんな雰囲気の配信にしたいか」を具体的にイメージしてみてください。
- テンション高めでツッコミ多めのバラエティ系
- ゆったり落ち着いた声で作業配信や朗読中心
- ゲームでリアクションをしっかり取る実況寄り
- 歌や音楽制作など、パフォーマンス重視
こうした方向性によって、性格や話し方の設定も変わってきます。
落ち着いた配信をしたいのに、設定だけ「元気いっぱいギャル系」にしてしまうと、あとから自分が苦しくなりやすいので注意しましょう。
実際の決め方としては、メモ帳やノートに次のような項目を書き出してみると整理しやすくなります。
- 一人称の例:ボク、わたし、オレ、名前呼び など
- 語尾や口癖の例:〜だよ、〜なのだ、敬語中心、タメ口 など
- 基本性格のイメージ:明るい、クール、毒舌、マイペース など
- 得意・好きなこと:ゲームジャンル、歌、イラスト、雑談テーマ など
- ざっくりしたバックストーリー:人間、獣人、魔法使い、企業所属 など
「社会人ゲーマーで、普段は丁寧だけどゲーム中はちょっと口が悪くなる」「魔界出身という設定だけど、実はビビりでホラーゲームが苦手」といったギャップも、視聴者に覚えてもらいやすいポイントです。
設定を盛り込みすぎる必要はなく、「配信中に自然に話せそうなネタ」を中心に組み立てると扱いやすくなります。
最終的には、「このキャラクターなら、どんな場面でどんなリアクションをするか」が自分の中でイメージできる状態を目指しましょう。
中身の方向性が固まれば、次に決めるビジュアルや配信画面のデザインも、自然とそれに合ったものを選びやすくなります。
ビジュアルの方向性を固める
ビジュアルの方向性は、「一目見てどんなVライバーか伝わるか」を意識して決めることが大事です。
見た目の情報量は多ければ多いほど良いわけではなく、「覚えやすい特徴が一つか二つあるか」「中身の設定と大きくズレていないか」が重要になります。
まずは、次のような基本項目を決めていきましょう。
- 年齢感のイメージ:10代前半、高校生くらい、20代社会人 など
- 性別・属性:男性、女性、中性、人外、ケモ耳、ロボ系 など
- 全体の雰囲気:元気・ポップ、クール、ふわふわ・癒やし系、ダーク・ゴシック など
- メインカラーとサブカラー:服や髪、アクセサリーに使う色
- モチーフ:猫、狐、音楽、ゲーム機、星、和風 など
「ゆったり雑談メインの癒やし系Vライバー」にしたいのであれば、柔らかい色合いの服や、丸みのあるシルエットの髪型や衣装が合いやすくなります。
「FPSゲームでガンガン叫ぶタイプ」の配信をしたいなら、スポーティな服装やビビッドな差し色を入れると、活動内容と見た目の印象が揃いやすくなります。
ここで意識したいのが、「描きやすさ・動かしやすさ」です。
Live2Dや3Dモデルのモデリングを前提としたVライバーの作り方では、あまりに細かい装飾や複雑な柄を全身に入れると、制作コストやデータの負荷が増える原因になります。
配信ソフトで動かしたときに、カメラの解像度や動画の画質では細部が見えにくいことも多いため、「パッと見で分かる特徴」を優先しましょう。
イメージを固めるコツとしては、次のような方法があります。
- 好きなVライバーやイラストのスクリーンショットを集めて、共通点を探す
- 「自分の私服に、少しだけ非日常の要素を足す」という考え方でまとめてみる
- 活動ジャンルに合うモチーフを一つ決める。例:歌、ゲーム、雑談 など
普段から黒パーカーが好きなら、それをベースに「イヤホンやマイクをモチーフにしたアクセサリーを付ける」「配信ロゴと同じ色のラインを入れる」といった形で、現実の自分とキャラクターを少し重ねると、キャラに長く愛着を持ちやすくなります。
最終的には、「立ち絵を一枚見ただけで、どんなキャラクターで、どんな配信をしそうか」がなんとなく伝わる状態を目指しましょう。
ここで決めたビジュアルの方向性は、このあと行うイラスト制作や3Dモデル原型の制作のベースになります。
迷った点はメモしておき、後でデザイナーと相談しながら調整していくと安心です。
デザイナーに依頼する場合の準備内容
イラストレーターやモデラーに依頼してVライバーのアバターを作る場合は、事前の準備がクオリティとスケジュールを大きく左右します。
「おまかせでお願いします」だけだと、イメージがズレやすくなってしまうので、最低限の情報と条件はテキストで整理して、共有できるようにしておきましょう。
準備しておきたい主な項目は、次のとおりです。
- キャラクターの基本情報:名前、年齢、性別、種族、身長 など
- 性格・口調・配信ジャンル:雑談、ゲーム、歌、イラスト配信 など
- ビジュアルの希望:髪型や髪色、服装のイメージ、メインカラー、モチーフ
- 必要な用途:Live2D用パーツ分け、3Dモデル、立ち絵のみ、サムネ用素材 など
- 予算と納期、商用利用・収益化・グッズ展開の予定があるかどうか
これらを「依頼用シート」として一枚のドキュメントにまとめ、参考画像へのリンクを貼っておくと、デザイナー側もイメージを共有しやすくなります。
各種SNSやBOOTH、ポートフォリオサイトなどで過去の作品を見て、「この作品の雰囲気が特に好きです」と具体的に伝えるのも効果的です。
トラブルを避けるために、契約や権利まわりの条件もあらかじめ確認しておきましょう。
とくに重要なのは、次のような点です。
- 著作権の帰属:制作者に残るのか、買い取りなのか
- 商用利用や企業案件、収益化配信での使用可否
- グッズ制作や二次利用の可否:スタンプ、ボイス販売、3D化 など
- 改変依頼や衣装差分追加を今後行う場合のルール
Vライバーとして長期的に活動したい場合、企業案件やグッズ展開の可能性が出てくることもあるため、最初からその可能性があることを伝え、利用範囲を広めに相談しておくと安心です。
著作権の基本的な考え方は、文化庁の著作権ページでも確認できるので、心配な場合は一度目を通しておくと、全体のイメージをつかみやすくなります。
最終的な条件は、依頼先ごとの利用規約や個別の契約内容に従うことになります。
実際のやり取りでは、最初のラフ案が届いた段階で、「この部分はイメージ通り」「ここはもう少し落ち着いた色にしたい」など、良い点と修正したい点の両方を具体的に伝えることが大切です。
「なんとなく違う」だけではお互いに迷ってしまうため、「配信で長時間見ていても目が疲れない色にしたい」「動画のサムネで小さくしても特徴が分かるようにしたい」など、配信シーンを踏まえたフィードバックを心がけましょう。
ここまでの準備が整っていれば、デザイナーにとっても作りやすくなります。
結果的にコストや修正回数を抑えつつ、自分のイメージに近いVライバーを作成しやすくなります。
このステップ1で固めた内容をもとに、次の工程では実際のイラスト制作や3Dモデル原型の制作へと進んでいきましょう。
自分だけのVライバーを作るステップ2:イラスト制作または3Dモデル原型の準備
ここでは、前のステップで決めたキャラクターデザインをもとに、「動かせるアバターの元データ」を用意する具体的な作り方を整理します。
2Dならパーツ分け済みイラスト、3DならVRoid Studioでのモデル原型を用意することが、次のモデリング工程のスタート地点になります。
まずは2Dと3D、それぞれの原型づくりの違いをざっくり整理しておきましょう。
| 項目 | 2D(パーツ分けイラスト) | 3D(VRoid Studio原型) |
|---|---|---|
| 必要ソフト | CLIP STUDIO PAINT、Photoshop などのペイントソフト | VRoid Studio(基本無料)、PC |
| 作成するもの | 正面向きの上半身イラスト+細かくパーツ分けしたPSD/PNG | 全身3Dモデル(髪・服・顔・体型などを調整したもの) |
| モデリング難易度 | パーツ分けが丁寧なら、Live2D側の作業が安定しやすいとされています | VRoid Studio上でポーズや表情確認ができ、そのまま対応アプリで配信することも可能 |
| 向いている配信 | 雑談・ゲーム実況・歌枠など、上半身中心のライブ配信 | 全身ダンス、3Dライブ、VR空間での活動 など |
| 費用感 | イラスト依頼+Live2Dモデリング費が発生しやすい(自作すればソフト代のみ) | ソフト自体は無料だが、衣装や追加調整を外注する場合は別途費用がかかる |
2Dは「描き込みや表情の豊かさ」、3Dは「全身の動きや立体感」が強みとされています。
どちらの作り方を選ぶにしても、Vライバーとして自分がやりたい活動内容(歌・ゲーム・3Dライブなど)に合った形式を選ぶことが大切です。
2Dモデルの作り方:パーツ分けイラストの作り方
2DのVライバーアバターを作るときは、Live2Dで動かすことを前提にした「パーツ分けされたイラストデータ」を用意する必要があります。
普通の一枚絵とは描き方のルールが違うので、まずは全体の仕組みを知ってから制作や依頼を進めると安心です。
Live2D Cubismの詳しい機能やダウンロード方法は、Live2D公式サイトでも確認できます。
基本的な流れは「①正面向きの構図を決める → ②パーツ分けの設計をする → ③お絵かきソフトでレイヤーを分けて描く」という三つのステップになります。
とくに②の時点で「どこまで細かく分けるか」を決めておかないと、モデリングのときに「この動きは作れない」という制約が出やすくなるので注意です。
ここでは、代表的なパーツ分けの例を目的ごとにまとめます。
| 部位 | よく分けるパーツ | できる動き・表現 |
|---|---|---|
| 顔 | 顔ベース、前髪、白目、虹彩、ハイライト、まぶた、まゆげ、鼻、口(閉じ口・開き口)、ほほ赤 | まばたき、視線移動、口パク、表情差分(笑顔・困り顔など) |
| 髪 | 前髪、横髪、後ろ髪、アホ毛、リボンなどアクセサリー | 首振りに合わせた揺れ、物理演算によるふわっとした動き |
| 体・服 | 首、体ベース、腕(上腕・前腕)、手、上着やインナーなどの服 | 呼吸モーション、軽いポーズ変更、腕を上げる・振る動き |
| その他 | メガネ、イヤホン、マイク、しっぽ、耳(ケモ耳など) | オンオフ切り替え、個別の揺れ、ギミック(メガネを外す等) |
最低限でも「顔パーツ」「髪」「体と服」は別レイヤーにしておくと、後のモデリングがかなり楽になります。
とくによく動かしたい部分は、前髪の毛先やツインテール、しっぽなどを意識して細かめにパーツを分けておきましょう。
実際の作業では、CLIP STUDIO PAINT や Photoshop などのイラストソフトを使い、「1パーツ=1レイヤー」または「1パーツ=1レイヤーフォルダ」を意識して描いていきます。
このとき、レイヤー名を「hair_front」「eye_L_iris」「body」など、Live2Dに読み込んだときに分かりやすい名前にしておくと、後の自分やモデラーが迷いにくくなります。
もう一つ大事なのが、「重なり部分もしっかり描いておく」ことです。
前髪で隠れるおでこや眉、服の下にある体のラインなどを省略してしまうと、首を大きく振ったときに塗り残しの部分が見えてしまいます。
Live2Dのモデルは立体的に変形させるしくみなので、見えない前提の下描きも含めてていねいに描き込んでおきましょう。
イラストを外注する場合は、「Live2D用のパーツ分けイラストであること」「納品形式はPSDにしてほしいこと」「どのパーツを分けてほしいか」といった点を、事前にはっきり伝えることが大切になります。
BOOTHやポートフォリオサイトには「Vライバー用パーツ分けイラスト作成可」と書いているクリエイターも多いため、Vライバー向けの制作に慣れている人に頼むとスムーズです。
最終的な目標は、「Live2Dに読み込んだときに、そのままモデリング作業に入れるレベルのPSDデータを用意すること」です。
ここまで整えておくと、次のステップでのモデリングや動き付けがスムーズになり、配信で自然に動く2Dアバターに仕上げやすくなります。
3Dモデルの作り方:VRoid Studioでのモデル原型作成
3DのVライバーモデルを自作したいときは、無料で使えることが多いVRoid Studioで「ベースとなる3Dモデル原型」を作る方法がよく使われています。
専門的な3Dモデリングの知識がなくても、ある程度のクオリティのアバターを作れます。
VRM形式で書き出せば、対応している配信アプリや配信ソフトでそのまま動かすことが可能です。
ソフトの詳しい説明やダウンロード方法は、VRoid Studio公式サイトから確認できます。
VRoid Studioでの基本的な作り方は「①ベースモデルを選ぶ → ②顔と体型を調整する → ③髪型を作る → ④服やテクスチャを設定する → ⑤表情やポーズを確認して書き出す」という流れになります。
最初からすべてを完璧にしようとせず、まずは配信に使えるレベルの原型を一体つくることを目標にすると続けやすくなるでしょう。
各工程で意識しておきたいポイントを、簡単にまとめました。
| 工程 | 主な操作 | 注意点・コツ |
|---|---|---|
| ベース選択 | プリセットのモデルから近いものを選ぶ | 後から細かく調整できるので、まずは雰囲気が近いものを選べばOK |
| 顔・体型調整 | スライダーで目・鼻・口・輪郭、身長や体格を変更 | 配信画面では顔がメインになるため、表情の雰囲気を優先して調整する |
| 髪型制作 | ヘアガイドを追加して、前髪・横髪・後ろ髪・アホ毛を描く | ポリゴン数や毛束の数が極端に多いと動作が重くなることがあるため、房を増やしすぎない |
| 服・テクスチャ | 既存の衣装プリセットをベースに、色や柄をペイント | 細かすぎる模様より、メインカラーがはっきりしたデザインの方が配信画面では見やすい |
| 表情・書き出し | 笑顔・ウィンクなどを確認し、VRM形式でエクスポート | 口の開き方やまばたきが自然かをチェックしてから保存する |
実際に触ってみると、スライダーを動かすだけで顔の印象が大きく変わります。
ステップ1で決めたキャラクター設定に合わせて、少しずつ形を整えていくのがおすすめです。
クール系なら目を少し細めに、元気なキャラなら目を大きめにするなど、配信での振る舞いをイメージしながら調整していきましょう。
髪や服のテクスチャを編集するときは、VRoid Studioに入っているブラシで直接描くこともできます。
もっと凝ったデザインにしたい場合は、外部のイラストソフトでテクスチャ画像を作ってから読み込む方法も使えます。
「完全オリジナルの衣装を描くのはまだ難しい」と感じるなら、最初は既存プリセットの色を変えたり、簡単な模様を足したりする程度から始めると続けやすいでしょう。
慣れてきたら、少しずつオリジナル要素を増やしていけば大丈夫です。
完成したモデルは、一般的な形式である「VRM形式」で書き出しておけば、VRM対応の配信ソフトやアプリでそのまま使えます。
たとえば、一部の3Dトラッキングソフトやゲーム配信ソフトがVRM形式に対応しています。
将来、企業案件や収益化を考えている場合は、使う3D素材や外部テクスチャの利用ルールも確認し、商用利用が許可されているものだけを選びましょう。
VRoid Studioを使った3Dモデル原型の作り方を知っておくと、「まずは無料ソフト中心でVライバーとして活動を始める」という入り方がしやすくなります。
そのうえで、反応を見ながら外部モデラーにブラッシュアップを頼むといった段階的な進め方も取りやすくなります。
一度原型ができてしまえば、あとから衣装や表情差分を追加していくことも可能です。
自分の活動ペースに合わせて、少しずつモデルを作り込んでいきましょう。
自分だけのVライバーを作るステップ3:モデリングや動作設定を行う
ここでは、ステップ2で用意した「2Dパーツ分けイラスト」や「VRoid Studioの3Dモデル原型」を、実際に配信で動かせるアバターに仕上げるモデリング工程を整理します。
Live2Dでの2Dモデル作成と、3Dモデルのリギング・表情設定のどちらも、ここでの調整次第でキャラクターの生き生きとした動きが大きく変わります。
作業のイメージが持てるように、2Dと3Dそれぞれの「やること」と難易度、外注のしやすさを一覧で比較しておきましょう。
| 項目 | 2D(Live2Dモデリング) | 3D(リギング+表情設定) |
|---|---|---|
| 主な使用ソフト | Live2D Cubism、フェイストラッキング用アプリ | VRoid Studio以外の3Dソフト(Blenderなど)、VRM対応ツール |
| 中心となる作業 | パラメータ設定、デフォーマでの変形、物理演算(揺れ物) | ボーン追加・ウェイト調整、ブレンドシェイプ(シェイプキー)で表情作成 |
| 得意な表現 | イラスト的な表情の細かさ、顔アップ時の見栄え | 全身モーション、ダンスや3Dライブ、VR空間での活動 |
| 習得難易度 | 「顔だけ・上半身だけ」からであれば個人でも習得しやすいとされる | 全身フルリグはやや難度高めで、外部モデラーへの依頼も多い傾向 |
| 外注のしやすさ | Vライバー向けLive2Dモデリング専門の個人・企業が多く見られる | ゲーム向け3Dモデル制作経験者や、VRM調整を請け負うクリエイターに依頼するケースもある |
2D・3Dどちらの作り方でも、「よく動かしたい場所に時間をかける」「配信でほとんど見えない/目立たない部分は作り込みすぎない」というメリハリが重要です。
ここでの動作設定が、後のフェイストラッキング連携や配信ソフトでの配信準備にも直結するため、焦らず一つずつ確認しながら進めていきましょう。
2Dの場合:Live2Dでのモデリング工程
2Dアバターを作るときは、Live2D CubismにPSDデータを読み込み、パーツごとに動きを設定していくモデリング作業が中心になります。
ここでの設定が自然だと、配信中の表情や口パクが違和感なく伝わり、キャラクターの魅力がぐっと増えます。
ソフトのダウンロードや公式チュートリアルは、Live2D公式サイトから確認しておきましょう。
Live2Dでの基本的な工程は、おおまかに次のような流れになります。
- ① PSDの読み込みとアートメッシュ化(パーツの登録)
- ② デフォーマ(変形の骨組み)の設定
- ③ パラメータの作成とキー打ち(角度X・角度Y・目・口など)
- ④ 物理演算や揺れもの設定(髪や服、アクセサリなど)
- ⑤ モーションや表情のテストと書き出し
まずは、用意したパーツ分けイラストをそのままLive2Dに読み込み、「アートメッシュ」と呼ばれる単位に変換します。
この段階でパーツの範囲をていねいに区切っておくと、その後の変形がきれいに行えるでしょう。
次に、顔全体や頭、体、腕といった単位ごとにデフォーマを重ねていきます。
どの層を動かすとどのパーツが一緒に動くのかを整理しながら、骨組みを作っていくイメージです。
そのうえで、「角度X(左右を向く)」「角度Y(上下を向く)」「目の開閉」「口の開閉」「笑顔や困り顔」といったパラメータを作成し、それぞれにキーを打っていきます。
角度Xであれば、左向き、正面、右向きの三つの状態ごとに、顔の輪郭や目、鼻、口が自然にずれるよう形を調整します。
ここは地道な作業ですが、視線の追従や首振りの自然さに直結する大事なポイントです。
髪やリボン、マントなどの「揺れてほしいパーツ」には、物理演算を設定します。
実際の配信をイメージしながら、首を振ったときに前髪がふわっと少し遅れて動くくらいに調整すると、イラストでありながら立体感のある動きに見えます。
揺れが強すぎると目が疲れたり、ゲーム画面やテロップが見えにくくなったりするので、「少し控えめかな」と感じる設定から始めて微調整していくと安心です。
おおまかなパラメータができたら、Live2D側の再生機能で一度動きを確認します。
あわせて、後で使う予定のトラッキングアプリに読み込み、自分の表情でテストしてみるとさらに分かりやすくなります。
笑ったときにほほ赤が出ているか、口パクが声と合っているか、ウィンクしたときに目がつぶれず可愛く見えるかなどもチェックしておきましょう。
Live2Dモデリングは、最初から高度なギミックまで完璧を目指すよりも、まずは表情と口パクと首振りの三つに集中した方が挫折しにくいといわれています。
衣装の切り替えや表情差分ボタンなどの高度なギミックは後からでも追加できるので、Vライバーとして活動を始めたい場合は、配信に必須の動きから優先的に作り込んでいきましょう。
3Dの場合:リギングと表情設定
3Dアバターを使う場合は、モデルの内部に「骨(ボーン)」や「表情用の変形」を仕込み、全身や顔を自然に動かせるようにするリギング工程が重要になります。
VRoid Studioの標準VRMなら、一般的な配信で使われる基本のボーン構造は最初から入っています。
ただし本格的なVライバー活動やダンス配信などを考えているなら、動きの精度を高める調整をしておくと安心です。
3Dのリギングと表情設定で行う主な作業は、次のとおりです。
- ① ボーン構造の確認と、足りないボーンの追加が必要かどうかの確認
- ② ウェイトの調整(どのボーンがどの頂点をどれだけ動かすかを決める作業)
- ③ ブレンドシェイプやシェイプキーを使った表情モーフの作成
- ④ まばたきや口パク、視線の動きなどの制御設定
- ⑤ VRMとして書き出し、トラッキングソフトでの動作テスト
VRoid Studioから書き出したVRMをそのまま使う場合でも、一度Blenderなどの無料3Dソフトに読み込んで状態を確認しておくと安心です。
腕を上げたときに服が極端に伸びていないか、スカートやコートが不自然にめり込んでいないかもチェックしておきましょう。
ゲーム実況や雑談配信では上半身だけが映ることも多いですが、3Dライブや全身ダンスもやりたいなら、足元まで含めたモーションの破綻を早めにつぶしておくと後の修正が楽になります。
表情に関しては、「まばたき」「あいうえお口」「笑顔」「怒り」「悲しみ」「驚き」といった基本セットをブレンドシェイプで用意するのが一般的です。
フェイストラッキングアプリや配信アプリ側では、これらの表情モーフにカメラの動きを割り当てて使います。
そのため、数や名前を分かりやすく整理しておくと連携がスムーズです。
たとえば「Face_Smile」「Face_Angry」のように用途がひと目で分かる命名にしておくと、後から設定を見直すときにも迷いにくくおすすめです。
実際の作業では、WebカメラやiPhoneに対応したトラッキングソフトにモデルを読み込み、自分の顔を動かしながら調整していきます。
VSeeFaceやVirtual Motion Captureなどのソフトを使うと、その場で表情の反応を確認できます。
眉が上がりすぎていないか、口の開閉が大げさすぎて不自然になっていないか、ウィンクしたときに片目だけがきちんと反応しているかといった点もチェックしましょう。
特に3Dは立体的に映るぶん、少しの違和感が視聴者にも伝わりやすいとされるため、表情はやや控えめに作っておき、足りなければ後から強くする方が安全といわれています。
もし3Dモデリングやリギングの経験がない場合は、「自分でVRoid Studioで原型を作り、ボーンや表情の調整だけ外部モデラーに依頼する」といった分担も現実的な選択肢です。
個人のVライバー向けに、VRMの調整やダンス用の調整などを請け負うクリエイターや企業も増えてきているので、自分の予算と活動内容に合わせて、どこまでを自作しどこからを外注するかを決めておきましょう。
このステップでリギングと表情設定をしっかり行っておけば、次の「フェイストラッキング連携」や「配信ソフトでのアバター表示」の工程がぐっとスムーズになります。
Vライバーとして長く活動することを想定しながら、自分のキャラクターがどんな動きをしたときに一番魅力的に見えるかを意識して、少しずつモデルを育てていきましょう。
自分だけのVライバーを作るステップ4:フェイストラッキングを連携する
ここでは、ステップ3までで完成させた2D・3Dモデルに「顔の動きや表情」をリアルタイムで反映させるフェイストラッキングの作り方を整理します。
カメラやセンサーから取得した情報をもとに目・口・首などの動きをアバターへ送る工程で、Vライバーとしての”生きている感じ”はここでほぼ決まります。
具体的には、2DモデルはVTube StudioとLive2Dモデルを連携し、3DモデルはWebカメラやiPhoneの表情トラッキングアプリとVRMをつなぐ流れになる場合が多いです。
配信ソフトや動画収録ソフトにアバターを映す前の大事な準備になるため、このステップで「よく使われる機能」と「最低限押さえるべき設定」を一度整理しておきましょう。
全体像をつかみやすくするために、2Dと3Dそれぞれのフェイストラッキング環境を比較しておきます。
| 項目 | 2D(VTube Studio) | 3D(Webカメラ/iPhone) |
|---|---|---|
| 主な用途 | Live2Dモデルでの雑談・ゲーム配信 | VRMモデルでの3D配信・ライブ・ダンス |
| 必要なハード | Webカメラ(ノートPCの内蔵カメラでも可) | Webカメラ または iPhone(Face ID対応機種が一般的) |
| 主なソフト例 | VTube Studio | VSeeFace、Virtual Motion Capture、iFacialMocap など |
| 得意な表現 | イラスト調の細かい表情、顔アップ重視の配信 | 全身モーション、ダンス、VR空間での活動 |
| 導入難易度 | 比較的かんたん。設定項目も少なめ | ソフト・機材がやや複雑で、慣れが必要 |
| 費用感 | 基本機能は無料で開始可能(アドオンやモバイル版など一部有料機能あり) | 無料ソフト中心でも構成可能だが、iPhone連携は別途アプリ代が発生する場合が多い |
2Dは「少ない機材で始めやすく、顔の表情に強い」、3Dは「機材と設定は増えるが、全身の動きまで表現できる」という違いがあります。
自分のVライバー活動が雑談メインなのか、3Dライブやダンスをしたいのかを踏まえたうえで、どこまでのトラッキング環境を整えるか決めていきましょう。
2Dの場合:VTube Studioとの連携方法
2Dアバターで配信するときは、Live2DモデルをVTube Studioに読み込みます。
VTube Studioは、Webカメラから取得した顔の動きをリアルタイムで反映してくれるソフトで、基本無料で利用でき、Vライバー向けの機能が一通りそろっているため、個人勢の定番ツールとして使われています。
動作環境やダウンロード方法は、必要に応じてVTube Studio公式サイトも確認しておきましょう。
VTube StudioとLive2Dモデルの連携は、おおまかに次のような流れです。
- ① VTube Studioをインストールし、PCのWebカメラを認識させる
- ② Live2D Cubismから書き出したモデルファイルをVTube Studioに読み込む
- ③ カメラ入力とトラッキングの強さを調整し、まばたきと口パクを確認する
- ④ ホットキーや表情切り替えボタンを設定し、配信ソフトへ映像を出力する
VTube Studioを起動すると、最初にカメラアクセスの許可が表示されるので、ここで「許可」を選び、自分の顔が映るかを一度チェックしておきましょう。
その後、モデル読み込みメニューからLive2Dモデルを選ぶと、画面上にアバターが表示されます。
首をかしげたり口を開けたりすると、多くの動きは自動で連動する仕組みです。
初期設定のままだと、「口が開きすぎる」「視線がカメラからズレる」「表情が動きにくい」といった違和感が出ることもあるので、VTube Studioの設定画面にあるフェイストラッキング関連の項目を少しずつ調整していきましょう。
- トラッキング感度:首振りや眉の上下が大きくなりすぎない程度まで下げる
- 口の開閉しきい値:声を出していないときに口が勝手に動かないように調整する
- まばたき検出:まばたきが反応しにくい場合は、しきい値を少し下げて試す
夜の配信で部屋が暗いと、カメラが顔を認識しづらくなり、トラッキングが不安定になる場合があります。
部屋の照明を少し明るくしたり、モニターの光が強く当たりすぎない位置に座り直したりするだけで改善することも多いでしょう。
Vライバーとして活動を続けたいなら、カメラの前に座ったときに自分の表情がはっきり見えるかどうかを、一度スマホなどで確認しておくと安心です。
VTube Studioでは「表情ボタン」や「ホットキー」を使うことで、フェイストラッキングだけでは出しにくい表情やポーズも切り替えられます。
たとえば「照れ顔」「キメ顔」「泣き顔」などをLive2D側で用意しておき、ゲーム配信の盛り上がりどころでキーボード一つで切り替えるといった使い方も可能です。
こうした機能は自分だけのキャラクターデザインともつながる部分なので、配信スタイルに合わせて少しずつカスタマイズしていきましょう。
最後に、VTube Studioの画面を配信ソフトのOBS Studioなどに取り込むには、配信ソフト側で「ゲームキャプチャ」や「ウィンドウキャプチャ」を使ってVTube Studioのウィンドウを指定します。
この段階で、カメラの位置やモデルの大きさ、首をどこまで振るかといった点をある程度決めておくと、後のシーン作成がぐっと楽になります。
3Dの場合:Webカメラ・iPhone等でのトラッキング
3Dアバターの場合は、VRMモデルをトラッキング対応ソフトに読み込み、WebカメラやiPhoneから取得した頭や表情、全身の動きをリアルタイムに反映させます。
2Dよりも設定項目は多くなりますが、そのぶんダンスや3Dライブなど立体的な活動ができる点が大きな魅力です。
代表的な構成として、次のような流れがよく使われています。
- ① VRMモデルをVSeeFaceやVirtual Motion Captureなどに読み込む
- ② WebカメラまたはiPhoneを接続し、顔トラッキングを有効にする
- ③ 必要があれば、全身トラッキング用のVR機器やトラッカーを追加する
- ④ 眉・目・口・首の動きの強さを調整し、配信ソフトに映像を送る
雑談配信やゲーム配信が中心なら、まずはWebカメラだけで顔と上半身を動かす構成でも十分といわれています。
VSeeFaceなどの無料ソフトでは、カメラに向かって話しながら「まばたきが自然か」「首を振ったときに体がついてくるか」「笑ったときに頬や口角がちゃんと動くか」をリアルタイムに確認できます。
前のステップで行ったリギングや表情モーフの作り込みが足りていないと、この段階で違和感が出ることが多いため、必要に応じて3Dモデリング側へ戻って調整しましょう。
より本格的な表情トラッキングを求める場合は、iPhoneのFace IDセンサーを使うアプリを導入する方法もよく選ばれています。
専用アプリをiPhone側とPC側にインストールし、同じWi-Fiまたは有線接続でリンクさせると、眉の細かな動きや頬のふくらみ、目線の変化などを高い精度で取得できるとされています。
歌ってみた動画や3Dライブで感情表現を重視したいVライバーなら、こうした有料アプリへの投資も一つの選択肢になるでしょう。
3Dトラッキングでは、次のようなポイントを意識しておくと安定しやすくなります。
- カメラは目線に近い高さに固定し、顔が常にフレーム内に収まるようにする
- 背景はできるだけシンプルにし、とくに窓からの逆光は避ける
- 長時間の配信では、椅子の高さや姿勢が変わっていないかを確認し、開始前に毎回テストする
3Dライブ配信を行うときは、事前にダンスモーションを流し、自分の表情だけをリアルタイムでトラッキングして確認することが多いです。
首を大きく振る振り付けがある場合、カメラから顔が外れてしまい、一瞬アバターの動きが止まることもあるので、注意が必要です。
そうした場面を想定し、顔はカメラの範囲内に残したまま、目線や上半身の動きでダイナミックさを出す工夫をしておくと、本番の配信が安定しやすくなります。
最終的には、VSeeFaceなどの3Dトラッキングソフトから「バーチャルカメラ」や「透過ウィンドウ」として出力し、OBS Studioなどの配信アプリに取り込みます。
接続方法はソフトごとに多少違いますが、「3Dソフト側でアバターを動かし、配信ソフト側で画面をキャプチャする」という構造自体は2Dと同じです。
次のステップで扱う配信シーンの作成とあわせて、自分の環境に合ったトラッキングの形を少しずつ固めていきましょう。
自分だけのVライバーを作るステップ5:配信ソフトでアバターを動かす準備をする
ここでは、フェイストラッキングまで終わった2D・3Dアバターを「実際の配信画面」に載せるための準備を整理します。
具体的には、OBS Studioへのモデルの取り込み方、背景やシーン切替の作り方、音声とアバターの同期チェックまでを一気にセットアップしていきます。
このステップを丁寧に作り込んでおくと、「どの枠でも同じクオリティの画面をすぐ用意できる」「トラブル時もすぐに原因を切り分けられる」といった配信者としての基礎力が身につくでしょう。
全体像として、「どのソースをOBS Studioに読み込んで、どのシーンでどう使うか」を簡単に整理しておきます。
| 項目 | 2D Vライバー(Live2D) | 3D Vライバー(VRM等) |
|---|---|---|
| アバターの映像の取り込み方 | VTube Studioのウィンドウ/ゲームキャプチャ | VSeeFace等のウィンドウ/バーチャルカメラ |
| 背景の作り方 | 静止画・動画・ゲーム画面をOBS Studioの別ソースで配置 | 3Dソフト内のステージ背景+OBS Studio側で装飾 |
| シーン切替の使い分け | 雑談/ゲーム/待機/終了画面などを複数シーンで管理 | 上記に加え、3Dライブ用・全身表示用シーンなどを追加 |
| 音声の扱い | マイク+BGM+PCゲーム音をOBS Studioでミックス | 上記に加え、3Dソフトの効果音なども必要に応じて追加 |
| よくあるトラブル | アバターが映らない/画面が真っ黒/枠内に収まらない | バーチャルカメラが選択できない/CPU・GPU負荷が高い |
2D・3Dいずれの作り方でも、「トラッキング用ソフトでキャラクターを動かす → OBS Studioで画面を作る → 配信サイトへ送る」という三段構造は共通です。
以降は、個人勢でも真似しやすい一般的な設定例をベースに、順番に説明していきます。
OBSStudioにモデルを取り込む方法
OBS Studioでアバターを取り込む方法は主に2つあります。
- ウィンドウ/ゲームキャプチャでトラッキングソフトの画面をそのまま映す
- バーチャルカメラをWebカメラとして認識させる
まず自分の環境に合う方式を選びましょう。
まずウィンドウ/ゲームキャプチャを使う場合は、VTube StudioやVSeeFaceなど“モデルを動かすアプリ”を画面として取り込みます。
OBSで新規シーンを作成し、「ソース」→「ウィンドウキャプチャ」または「ゲームキャプチャ」を追加して対象アプリを選択。
枠やUIが映る場合は、ソフト側の背景透過・UI非表示を使うか、OBSのクロップで必要部分だけ切り抜きます。
環境やGPUとの相性で映らないこともあるため、片方がダメならもう一方や「画面キャプチャ」も試してください。
バーチャルカメラ方式を使うときは、トラッキング/3Dソフトのバーチャルカメラをオンにし、OBSで「映像キャプチャデバイス」を追加して当該カメラを選択します。
ZoomやDiscordでも同じ映像を使える一方、PC負荷が上がりやすいので、配信前にCPU/GPU使用率を確認しておくと安心です。
配置とレイアウトについては、プレビュー上でドラッグして位置、ハンドルでサイズを調整します。
雑談は画面片側の下寄りに胸上を、ゲーム配信はゲームを大きく出しつつアバターを右下などに小さめで重ねるのが定番です。
キャラクターの見せ方に合わせて複数パターンを試し、最適な大きさと位置を決めましょう。
「真っ黒で映らない」「ゲームだけ映らない」などトラブルのときは、OBSとゲームがどのGPUで動いているか、ゲームがウィンドウモードかなど環境設定を見直します。
公式ヘルプやフォーラム、同構成のVライバー解説も参考になります。
背景やシーン切替の設定
OBS Studioで背景やシーン切り替えを設定するときは、「配信ごとに使い回せるテンプレートを作る」意識で組み立てると効率的です。
一つのシーンに全部詰め込むのではなく、用途ごとにシーンを分けておくと、配信中でもボタン一つで画面を切り替えられます。
背景を設定するときは、「画像」か動画用の「メディアソース」をソースとして追加します。
たとえばイラストレーターに頼んだ配信用のフレーム付き画像を一番下に置き、その上にアバター、そのさらに上にコメント表示やアラートを重ねる構成が一般的です。
無料素材サイトの背景画像を使う場合も、商用利用ができるかやクレジット表記のルールを必ず確認しましょう。
とくに企業ロゴや作品ロゴが入った素材は、配信で使ってよいかどうかを事前にチェックしておくことが大切です。
シーンの作り分けとしては、少なくとも次の4つを用意しておくと配信がスムーズになります。
- 待機画面シーン:BGMと「まもなく開始」の文字だけを表示する画面
- メイン配信シーン:アバターとゲーム画面、または雑談用の背景を映す画面
- 休憩シーン:短い離席のときに「すぐ戻ります」などを出す画面
- 配信終了シーン:エンディング画像やSNS情報をまとめて見せる画面
実際の運用では、配信開始の数分前から待機画面を出しておき、本番の時間になったらメインシーンへ切り替える流れがよく使われます。
OBS Studioのシーントランジションでフェードを設定しておくと、シーンが変わるときの映像がなめらかになり、編集なしでもそのままアーカイブに残しやすくなります。
目安としては、フェード時間を300〜500ミリ秒くらいにしておくと、切り替えが自然に感じられるでしょう。
配信に慣れてきたら、「歌枠用」「コラボ用」「3Dライブ用」といった形で、活動内容ごとにシーンを増やしていくのもおすすめです。
レイアウトを頻繁に変えると、視聴者が「今どこを見ればいいのか」分からなくなりやすくなります。
そのためシーンが変わっても、アバターやコメント欄の位置はできるだけそろえ、自分のチャンネルらしさがひと目で伝わる画面を意識しましょう。
音声とアバターの同期チェック
音声とアバターの同期チェックでは、「口パクのタイミング」「声とBGMのバランス」「配信サイト側の遅延」の3つをまとめて確認します。
ここをおろそかにするとどれだけモデルや画面にこだわっても、どこか違和感のある配信になってしまうので、デビュー前に必ず時間を取り、じっくり調整しておきましょう。
まずはOBS Studioのオーディオミキサーで、マイクやデスクトップ音声、BGMなどの音量レベルを確認します。
雑談配信であれば、目安としてマイクのピークが―6~-3デシベル付近になるようにしておくと、声が聞き取りやすくなりやすいです。
BGMはそれより十デシベル前後小さいくらいに抑えておくと、声がしっかり前に出てくれます。
ゲーム音や通話相手の声も一緒に載せる場合は、テスト録画をしながら「自分の声が埋もれていないか」「効果音が大きすぎないか」を耳で確認しましょう。
必要であれば、シーンごとにミキサーのバランスを少しずつ変えておくと安心です。
口パクのズレを直したいときは、トラッキングソフト側の設定とOBS Studio側の音声遅延の両方を見る必要があります。
とくにiPhone経由のフェイストラッキングを使っている場合は、通信の遅延などの影響で「声が先に聞こえ、口があとから動く」現象が出やすくなります。
そのときは、OBS Studioのオーディオ詳細プロパティでマイクに数十〜数百ミリ秒の同期オフセットを設定し、実際にしゃべりながら口の動きと合わせていきましょう。
実践的なやり方としては、「あ・い・う・え・お」とゆっくり発音しながらテスト録画を行い、その動画を自分で見返す方法があります。
どの母音で一番ズレが気になるかを確認しながら、少しずつ遅延の値を調整してください。
YouTubeやTwitchなどで限定公開のテスト配信を行い、スマホなど別の端末から視聴してみるのも効果的です。
視聴者に近い環境でチェックしておくと、本番での音ズレトラブルを減らしやすくなります。
最後に、配信前のルーティンとして三十秒から一分ほどのテスト録画をして、その場で再生チェックをする習慣をつけておきましょう。
これだけで、マイクの入力ミスやBGMの入れ忘れ、アバターが固まっているといったトラブルを事前に防ぎやすくなります。
Vライバーの作り方はモデル制作だけではなく、こうした地道な確認作業まで含めて、初めて視聴者に届く形になると言えます。
自分なりのチェックリストを一枚作っておき、配信のたびに確認していくと安心です。
自分だけのVライバーを作るステップ6:デビューに向けた素材・プロフィールを揃える
ここまででアバターのモデリングや配信画面の基本設定は完了しているので、このステップでは「チャンネルとしての顔」を整えていきます。
モデルのクオリティが高くても、ロゴ・プロフィール・初配信の内容が雑だと、Vライバーとしての第一印象を大きく損ねてしまうおそれがあります。
デビューに向けて用意しておきたい主な素材・プロフィール要素を整理しておきましょう。
| 項目 | 目的 | 自作向きか/外注向きか |
|---|---|---|
| ロゴ(ロゴタイプ・アイコン) | ブランドの「印章」。サムネや配信画面、グッズなどで統一感を出す | 簡易版は自作も可/長期活動を見据えるならデザイナー依頼も検討 |
| 配信画面(フレーム・コメント欄スペースなど) | 配信中の情報整理と世界観づくり | テンプレ素材を編集すれば自作もしやすい |
| 待機画面・終了画面 | 開始前・終了時の離脱防止と告知 | 画像編集ソフトがあれば自作しやすい |
| 自己紹介文 | チャンネル・プロフィール欄でキャラクターを説明 | 基本は自作。推敲だけ第三者に見てもらうと◎ |
| SNSアカウント | 告知・ファン交流・活動実績の蓄積 | 必ず本人が運用。アイコンやヘッダーは外注も可 |
| 初配信の台本 | 緊張しても話が途切れないようにする「カンペ」 | 自分の話し方に合わせて自作一択 |
| テスト配信用チェックリスト | 機材・ソフトの動作確認用 | 前のステップの設定項目をもとにシンプルに作成 |
これらを一度に完璧にする必要はありませんが、「最低限そろっている状態」でデビューすると、その後の配信・動画制作・コラボ依頼などもスムーズになりやすいです。
以降の見出しでは、それぞれの作り方とポイントを順番に解説します。
ロゴ・配信画面・待機画面の準備
ロゴや配信画面、待機画面は、Vライバーとしての世界観を一目で伝える看板のような存在です。
とても凝ったものでなくてもよいので、デビューまでにシンプルなセットを一式そろえておくと印象がぐっと良くなります。
とくに個人勢の場合は、無料素材だけを寄せ集めるよりも、自分のキャラクターに合った最低限のデザインだけでも用意しておく方が、ブランドとして覚えてもらいやすいでしょう。
ロゴは、キャラクター名をデザインしたロゴタイプと、SNSアイコンにも使えるシンボルマークのどちらか、または両方を用意するのが一般的です。
自作するなら、Canvaのようなデザインアプリと無料フォントを組み合わせ、利用規約を確認しながらシンプルにまとめるだけでも十分に形になります。
長く活動したい人や企業案件、グッズ展開を視野に入れている人は、イラストレーターやロゴデザイナーに依頼する選択肢も検討してみましょう。
その際は商用利用の可否やグッズ展開の可否、クレジット表記のルールなど、使ってよい範囲を契約時に必ず確認しておくことが大切です。
配信画面は、前のステップで決めたOBS Studioのシーン構成を前提に、アバターやコメント、ゲーム画面や背景イラストをどこに置くかを決めてフレームを作ります。
Photoshopのような有料ソフトがなくても、無料の画像編集ソフトやブラウザ型のテンプレートサービスを使えば、十分に配信画面を作成できます。
既製の配信フレーム素材を購入したりダウンロードしたりして、色だけ自分のテーマカラーに差し替える作り方も、時間を節約しながら雰囲気を整えられるでしょう。
待機画面と終了画面は静止画一枚からでも問題ありませんが、何を表示するのかを考えてデザインするとぐっと実用的になります。
待機画面には、キャラクターの立ち絵と「まもなく配信開始」という文字、配信タグやファンアートタグを載せておくと、初見の人にも情報が伝わりやすいです。
終了画面では、「今日はありがとう」や「チャンネル登録と高評価をしてくれるとうれしいです」といったメッセージに加え、次回配信の予定やSNS情報を書くことで、自然に告知や導線の役割も果たせます。
BGMの有無や音量はOBS Studio側で調整できるため、画像自体は文字情報とレイアウトを中心に整理しておくとよいでしょう。
無料素材サイトや配信レイアウトのテンプレートを利用する場合は、必ず利用規約に目を通しておきます。
Vライバーとして活動する上で、商用利用が許可されているかどうかや、クレジット表記が必要かどうかはとくに重要なポイントです。
企業ロゴやゲーム画面を組み合わせるときは、各社の二次利用ガイドラインやファンキットの規約を確認し、ルールの範囲内で使うように心がけましょう。
自己紹介文・SNSアカウントの開設
自己紹介文とSNSアカウントは、検索で見つけてくれた人や、たまたま配信を覗いた人があなたのことを知るための窓口です。
長文でなくてもよいので、配信プラットフォームのプロフィール欄とSNSの固定投稿には、共通する基本情報をそろえて書いておきましょう。
自己紹介文の流れは、名前や呼び方、キャラクター設定、活動内容、配信頻度や目標、ハッシュタグやファンネームといった順番でまとめると分かりやすいです。
「ゲーム多めの雑談系」「歌とイラスト制作を配信するクリエイター系」など、自分のチャンネルの軸を一行で説明できるよう意識すると、検索やおすすめから来た人にも特徴が伝わりやすくなります。
文章のトーンは、実際の話し方に近づけておくことで、配信での印象とのギャップが出にくくなります。
丁寧なキャラクターならですます調で落ち着いた言葉を選び、元気なキャラクターなら少し砕けた言い回しを混ぜるなど、配信中のテンションをイメージしながら書いてみましょう。
プロフィールができたら一度声に出して読み、自分が配信でその自己紹介を話したときにしっくり来るかどうかを確認しておくと微調整しやすくなります。
SNSアカウントはXを中心に、活動スタイルに合わせてYouTubeのコミュニティ機能やInstagram、TikTokなどを組み合わせる形がよく見られます。
アカウント名とIDは、配信プラットフォームのチャンネル名とできるだけそろえ、検索したときに迷子にならないようにしておきましょう。
アイコンにはアバターの顔がはっきり分かる画像を使い、ヘッダーにはロゴや配信画面の一部を載せると、「この人はVライバーだ」とひと目で伝えやすくなります。
アカウントを開設した直後は、デビュー告知や活動方針、簡単な自己紹介などをいくつかまとめて投稿しておくと、プロフィールを初めて見に来た人にも雰囲気が伝わりやすくなります。
固定投稿には、自己紹介文や配信スケジュール、初配信のURLなどをまとめておき、「ここだけ読めば概要が分かる」状態を目指しましょう。
企業や他の配信者からコラボや案件の相談が来るときも、最初にチェックされるのはSNSやチャンネルのプロフィールであることが多いため、いつ見られても困らないレベルまで整えておくと安心です。
初配信の台本とテスト配信の流れ
初配信はVライバーとしての名刺代わりになるため、ざっくりとした台本とテスト配信の手順を先に用意しておくと、緊張していても落ち着いて進行しやすくなります。
完璧なセリフを書き込む必要はないので、少なくとも何をどの順番で話すのかだけは決めておきましょう。
台本は箇条書きでかまわないので、セクションごとの見出しと話したい内容のメモをセットで書いておくと使いやすくなります。
たとえばオープニングのあいさつと音量確認、自己紹介、活動内容と配信方針、コメントを拾う時間、エンディングの順に流れを作ると、全体で三十分から一時間程度の初配信にまとめやすいでしょう。
実際の進行をイメージするために、台本の各パートごとに「最低限これだけは言う」というフレーズを一つずつ書き込んでおくと安心です。
オープニングなら「音声とBGMのバランス大丈夫そうかな」と聞いてみたり、自己紹介なら「こう見えてかなりインドアで、普段は〇〇のゲームばかりしています」といった一言を用意しておくイメージです。
台本は紙に印刷して手元に置くか、配信画面とは別のモニターやタブレットに表示しておき、ゲーム画面やチャットと混ざらないようにしておくと読み返しやすくなります。
テスト配信は、本番と同じ機材とソフト構成のまま、限定公開や非公開などの範囲で行うのが基本です。
前のステップで行った音声とアバターの同期チェックに加えて、初配信で使う待機画面からメイン画面、終了画面までのシーン切り替えをひと通り試しておきましょう。
あわせてコメントの表示や通知ウィンドウが正しく動くかも確認し、アーカイブを自分で見返して話す速さや沈黙の長さ、BGMの音量などの気になる点をメモしておくと、本番での改善につながります。
本番の直前には、簡単なチェックリストを見ながら最終確認をする習慣をつけておくと安心です。
マイクがオンになっているか、BGMが流れているか、アバターが動いているか、配信サイトのタイトルとサムネイルが内容と合っているか、SNSで開始の告知を済ませたかといった項目を五〜十個ほど書き出しておくとよいでしょう。
Vライバーの作り方はモデル制作だけでなく、こうした準備や段取りまで含めて、ようやく視聴者にとって見やすいライブ配信になります。
【FAQ】Vライバーの作り方に関するよくある質問
ここでは「Vライバーの作り方」でよく検索される疑問を、費用・ソフト・難易度・スマホ対応の4つの観点からまとめて解説します。
ざっくりとした費用感や、最低限そろえておきたいソフト、初心者でもオリジナルアバターを作るコツなどを押さえておくと、自分に合った始め方を判断しやすくなります。
代表的な始め方ごとの費用イメージを一覧で整理しておきましょう。
あくまで執筆時点での一例であり、クリエイターの実績や依頼内容、為替やキャンペーンなどによって変動しうる点にはご注意ください。
| 作り方・スタイル | 主な内訳 | 想定費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 配信アプリ内アバターでデビュー | スマホ、アプリ内アバター、配信機能 | 0円〜数千円程度(ガチャ・有料パーツ次第) | まずは気軽にライブ配信を試したい人 |
| 既存モデルをDL/購入して活動 | 無料3Dモデル、または有料モデル+配信ソフト | 0円〜3万円前後がひとつの目安 | 最低限の個性は出しつつコストを抑えたい人 |
| 2Dオリジナルモデルを外注 | 立ち絵イラスト制作、Live2Dモデリング | 5万〜20万円以上になることが多い | 長期活動前提で見た目にこだわりたい人 |
| 3Dオリジナルモデルを外注 | 3Dモデリング、テクスチャ、リギング | 10万〜30万円以上になるケースが一般的 | 3Dライブやダンスなどを本格的にやりたい人 |
あくまで相場感の一例ですが、「完全無料〜数千円でお試し」「数万円でしっかり作り」「十数万〜で本格志向」という3段階で考えておくと、自分の予算と活動イメージに合わせた作り方を選びやすくなります。
Vライバーを作るのにどのくらい費用がかかるか
Vライバーは、スマホアプリを使えば初期費用ほぼゼロ円でも始められます。
一方で本格的なオリジナルモデルまで作り込むと、数万円から数十万円かかるケースも珍しくありません。
見た目や動きにどこまでこだわるか、商用利用やグッズ展開まで見据えるかによって、必要な費用は大きく変わってきます。
無料から低コストで始めたい場合は、IRIAMなどの配信アプリ内でアバターを作成する方法や、VRoid HubやBOOTHで配布されている無料の3Dモデルを活用するやり方もあります。
この場合に必要なのは、スマホやPC、Webカメラなどの基本的な機材が中心です。
配信ソフトもOBS StudioやVTube Studioなど、基本機能を無料で使えるものが多いため、最初の出費をかなり抑えられます。
ただしソフトによっては有料アドオンやサブスクプランも用意されているので、利用条件は事前に確認しておきましょう。
イラストレーターにキャラクターデザインと立ち絵を依頼し、Live2Dモデリングも外注する場合は、個人勢向けでも5万〜20万円ほどを目安に考えておくとよいとされています。
3Dモデルをゼロから制作してもらうと、ポリゴン数やパーツの多さ、表情や衣装の数によってさらに高額になりやすくなります。
商用利用やグッズ展開を考えているなら、著作権の扱いや利用範囲、二次利用の可否などを契約書や利用規約でしっかり確認しておきましょう。
まずは無料から低コストのモデルで配信に慣れ、続けられそうだと感じたタイミングで本格的なアバター制作に投資するというステップアップ方式が現実的です。
今の自分の予算と活動ペースに合った作り方を選ぶと、無理なくVライバー活動を続けやすくなります。
Vライバーを作る際におすすめのソフトを教えて
Vライバーのアバター作成と配信では、「モデルを作るソフト」「動きを読み取るソフト」「配信するソフト」の3つを組み合わせるのが基本です。
役割ごとに代表的なソフトを知っておくと、自分の環境に合った構成を決めやすくなります。
2Dモデルの場合は、パーツ分けしたイラストを動かすためにLive2D CubismとVTube Studioの組み合わせが定番です。
イラスト自体はCLIP STUDIO PAINTなどのペイントソフトで制作し、完成したモデルをOBS Studioで配信画面に取り込む構成がよく使われます。
どのソフトも無料版や体験版と有料版が分かれていることが多いので、機能制限や商用利用の可否を確認してから導入すると安心です。
詳しい機能やダウンロード方法は、Live2D公式サイトやVTube Studio公式サイトで最新情報をチェックしておきましょう。
3Dモデルの場合は、まずVRoid Studioでキャラクターのベースモデルを作成する方法がよく選ばれています。
必要に応じてBlenderなどの3Dソフトで細かな調整やアクセサリの制作を行い、自分だけのモデルに仕上げていきましょう。
トラッキングと表示には3teneやVSeeFaceなどのソフトがあり、WebカメラやiPhoneのフェイストラッキングと連携させれば、表情や体の動きも自然に反映させやすくなります。
ただし対応OSや必要なスペックはソフトごとに異なるため、導入前に各公式サイトの動作環境を必ず確認してください。
とくにVRoid Studioについては、対応環境や配布形態をVRoid Studio公式サイトでチェックしておくと安心です。
配信用ソフトとしては、OBS Studioが無料かつ高機能で、シーン切り替えや背景、BGM、コメント表示などを細かくカスタマイズできます。
安全に最新版を入手したいときは、OBS Studio公式サイトからダウンロードするようにしましょう。
「描くためのソフト」「モデルを動かすソフト」「ライブ配信用のソフト」という三つの役割に分けて考えながら、自分のPCスペックと相談して導入していくのがおすすめです。
初心者でもオリジナルのVライバーを作れるか
初心者でも、手順をいくつかに分けて取り組めばオリジナルのVライバーを作ることは十分可能です。
とはいえ、すべてを一人でゼロから作ろうとすると時間も労力もかかるため、「自分でやる部分」と「外注や既存素材に頼る部分」を分けて考えるのが現実的です。
たとえばキャラクター設定や世界観づくりは自分で行い、イラスト制作をイラストレーターに依頼し、モデリングや配信設定はチュートリアル動画や公式マニュアルを見ながら自力で進める、という方法があります。
絵を描くのは得意だけれどソフト操作は不安という人は、パーツ分け済みイラストまで自作し、Live2Dモデリングだけを専門のモデラーに依頼するやり方もよく選ばれています。
最近はVRoid StudioやLive2D Cubism向けに、テンプレートモデルや練習用データを無料配布しているサイトや公式教材も増えてきました。
こうしたデータを使えば、モデリングや動きの仕組みを学びながら、自分のキャラクターに少しずつ置き換えていくこともできます。
最初は目や口だけが動くシンプルなモデルから始め、ライブ配信を重ねながら表情やパーツを少しずつ追加していくイメージで進めると、途中で挫折しにくくおすすめです。
オリジナル要素が多いほど愛着も湧きやすく、活動を続けるモチベーションにもつながります。
いきなり完璧な一体を目指すのではなく、「今の自分のスキルで作れる範囲」からスタートし、必要に応じてプロの力も借りながら少しずつアップデートしていきましょう。
スマホだけでも本格的なアバターを作ることはできるか
スマホだけでも、配信アプリやモバイル向けの3Dアバターアプリを使えば、かなり本格的なVライバー活動を始めることができます。
ただしPC環境と比べると、細かなカスタマイズや動画編集の自由度、長時間配信時の安定性などにはどうしても差が出てしまうでしょう。
代表的な方法としては、IRIAMのような「イラスト一枚からアバター化してくれるアプリ」があります。
ほかにもカスタムキャストやREALITYといった3Dアバター作成アプリを使えば、スマホだけでキャラクター作成からライブ配信まで完結させることが可能です。
これらのアプリでは、アプリ内で髪型や服装などのパーツを選び、スマホのカメラで表情や動きをトラッキングします。
絵が描けない人でも、用意されたプリセットを組み合わせるだけで、それなりに個性のあるキャラクターを作れるのが大きな利点です。
ただしアプリごとに商用利用の可否や収益化の条件が異なるため、利用規約は必ず目を通しておきましょう。
とくにREALITYについては、対応端末や機能の詳細をREALITY公式サイトで確認してから導入すると安心です。
一方で、「細かくパーツ分けしたイラストを自作してLive2D化したい」「OBS Studioで背景や配信画面を作り込みたい」といった本格的な環境づくりには、現状ではPCがほぼ必須とされています。
長時間配信ではスマホの発熱やバッテリー消費も大きくなるため、冷却グッズや充電環境もあらかじめ用意しておきたいところです。
まずはスマホだけで無料アプリを使い、Vライバーとしての配信を体験してみるのもよいいでしょう。
まとめ:アバターにこだわるならVライバーの作り方をしっかり学ぼう
ここまで、配信アプリでの手軽なデビューから、2D/3Dオリジナルモデル制作まで、Vライバーの作り方をステップごとに整理してきました。
結論として、「どの作り方が一番良いか」を一律に決めるのではなく、「今の自分の予算・スキル・活動スタイルに合う選択肢を組み合わせる」ことが現実的だと考えられます。
アバターの見た目や動きにこだわりたいほど、キャラクターデザインやモデリングの基礎を押さえておくことで、あとからのアップデートや改修もしやすくなります。
最後に、この記事全体で解説してきた要点を、「始める前に決めること」「制作・準備でやること」「デビュー後に続ける工夫」という視点で振り返っておきましょう。
| ステップ | 主な内容 | 意識したいポイント | 向いている人・タイミング |
|---|---|---|---|
| ① 始め方の選択 | 配信アプリ/既存モデル/オリジナル制作から選ぶ | 予算・PC/スマホ環境・活動頻度を現実的に確認する | これからVライバー活動を始めたい全員 |
| ② キャラクター設計 | 性格・話し方・ビジュアル・設定を固める | 「自分が演じやすいか」「長く続けられるか」を重視 | オリジナル性やブランド感を出したい人 |
| ③ イラスト/3D原型制作 | パーツ分けイラストやVRoid Studioモデルの作成・依頼 | 利用規約・著作権・商用利用の範囲を必ず確認 | 本格的なアバターで配信したくなったタイミング |
| ④ モデリング・動作設定 | Live2D Cubismやリギングで動き・表情を調整 | 公式チュートリアルや練習用データで少しずつ学ぶ | 動きのクオリティにこだわりたい人 |
| ⑤ トラッキング・配信設定 | VTube Studio・3tene・OBS Studioなどの連携 | カメラ・マイク・回線をテスト配信で必ずチェック | 初配信〜定期配信を安定させたい段階 |
| ⑥ デビューと運用 | ロゴや配信画面、プロフィール、SNS運用 | 「どんな活動をしたいか」を視聴者に一言で伝える | 継続的にファンを増やしていきたい人 |
Vライバーの作り方に「これだけが正解」というものはありませんが、アバターにこだわるほど、基礎から学んでおく価値は確実に大きくなります。
まずは無料アプリやVRoid Studioなどを試し、自分だけのアバター作りを今日から始めてみてください。
自分のペースで少しずつ制作と配信を積み重ねながら、「このキャラクターで活動していて楽しい」と胸を張って言えるVライバー像を、じっくり育てていきましょう。


コメント