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    Vtuberは稼げるのか?個人勢でも収益化できる方法と年収のリアルを徹底解説

    Vtuber 稼げる

    「Vtuberは本当に稼げるのか?」と疑問に思っている方は多いでしょう。

    結論から言えば、企業勢か個人勢か、活動規模、そしてどの収益源をどこまで育てるかによって、稼げる金額は大きく変わります。

    ごく一部のトップクラスは、スーパーチャットやグッズ・案件などを合わせて、年収数千万円〜それ以上を得ていると推測されています

    一方で、全体としては「副業〜生活費の一部」をまかなう水準にとどまるケースが多いと考えられています。

    ここでは、年収相場・6つの収益源・個人勢の伸ばし方・企業勢の条件・FAQまでを整理しながら、「自分の条件ならどの稼ぎ方が現実的か」を判断できる状態を目指しましょう。

    この記事でわかること
    • 企業勢/個人勢それぞれのおおよその年収レンジと収益構造
    • YouTube広告・スーパーチャット・メンバーシップなど、代表的な6つの収益源の特徴
    • 個人勢が収益化ライン到達〜安定収入を目指すための具体的なステップ
    • 企業所属のメリット・デメリットと、どんな人に向いているか
    • モデル費用回収や複数プラットフォーム運用、AI活用の現実的なライン
    目次

    Vtuberはどれくらい稼げる?年収相場と収益源の全体像

    このパートでは、「Vtuberは本当に稼げるのか?」「企業勢と個人勢でどれくらい収入が違うのか?」という疑問に答えるため、年収の目安と主な収益源の全体像を整理します。

    Vtuberの収益は、YouTube広告、スーパーチャット、メンバーシップ、グッズ販売、企業案件、イベント出演など複数の柱の組み合わせで成り立っています。

    特に広告収入や投げ銭など、プラットフォーム側の仕組みを理解しておくことが重要で、YouTubeの収益化条件についてはYouTubeパートナープログラムの公式ガイドで最新情報を確認しておくと安心です。

    ただし、動画配信・クリエイター業界全般に見られるように、「上位のごく一部のVtuberが収入の大半を得ている」と考えられており、活動している人全員が高収入になれるわけではありません。

    まずは企業勢と個人勢での大まかな年収レンジと、どの収益源がどれくらい効いてくるのかをイメージしやすいように、あくまで目安レベルの一覧として整理しておきます。

    属性年収の目安(手取りベースのイメージ)主な収益源収益の特徴
    企業勢・トップクラス数千万円〜1億円前後になるケースもあるスーパーチャット、グッズ、案件、イベント高単価の案件や物販・イベント収益が加わることで、チャンネル全体としての売上規模が非常に大きくなりやすい
    企業勢・中堅クラス数百万円〜1,500万円程度とされるスーパーチャット、メンバーシップ、グッズ固定ファンによる継続課金と、事務所との配分率によって収入が安定しやすいが、事務所ごとの差も大きい
    個人勢・上位層500万円〜1,000万円程度に到達する例もあるスーパーチャット、メンバーシップ、案件自分で条件交渉できるぶん単価が上がりやすく、ヒットしたときのリターンも大きい
    個人勢・副業レベル月数万円〜年200万円程度広告、スーパーチャット、投げ銭サービス本業収入にプラスする副収入として成り立ちやすく、活動時間に応じて増減しやすい
    収益化未達・駆け出し0〜年数万円程度ほぼなし(準備・投資フェーズ)モデル制作費用や機材購入など、活動初期は持ち出しが多くなりやすい期間

    自分がどのゾーンを目指したいのか、どれくらいの期間でそこを狙うのかをイメージしながら、次のセクションで企業勢と個人勢の違いを具体的に見ていきましょう。

    企業勢Vtuberの年収・収益規模

    企業所属のVTuberは、人気が伸びれば個人勢では手が届きにくい高収入帯に到達する可能性があります。

    一方で、収益は事務所との分配や活動条件によって手取りが大きく左右されるのが特徴です。

    大手事務所のトップ層は、スーパーチャットやメンバーシップだけで年間数千万円規模の売上を上げるケースもあるといわれています。

    ここに公式グッズ、ボイスやCDなどのデジタル商品、ゲーム・アプリのタイアップ、リアルイベントの出演料が加わり、チャンネル全体の売上が1億円規模に達することもあるのです。

    もっとも、その全額が配信者本人の収入になるわけではなく、制作・運営費を差し引いたうえで、事務所との取り決めに従って分配されます。

    中堅クラスの企業勢でも、月に数回の配信で安定してスーパーチャットが飛び、メンバーシップ会員が数百〜数千人いるような場合だと年間の個人収入が数百万円〜1,000万円程度になることは十分現実的です。

    一方で、デビュー直後は広告収入や案件がほとんどなく、基本給が少額またはゼロという条件の事務所もあるといわれています。

    つまり「企業勢=必ず安定して稼げる」とは限らないのです。

    企業勢としてデビューを目指すなら、①どの程度のサポートが受けられるか、②収益分配率はどうなっているか、③グッズ販売や案件の窓口を事務所がどこまで担ってくれるか、といった条件を事前に丁寧に確認することが重要です。

    VTuberは売上ポテンシャル自体は高い一方、契約内容次第で手取り額は大きく変わります。

    収益分配の比率や経費の扱いまで含め、納得できる形で合意しておきましょう。

    個人勢Vtuberの年収の目安

    個人勢Vtuberの年収は、「ほぼゼロ〜副業レベル」が多数派で、「専業で生活できる人は一部」というのが現実的な考えです。

    ただし、収益の取り分を自分でコントロールしやすいため、伸びたときのリターンが大きいのも個人勢の魅力です。

    一般的には、YouTubeの収益化条件(チャンネル登録者1,000人・直近12か月の総再生時間4,000時間)を達成しても、当初の広告収益は月数千円〜1万円程度にとどまることが多いとされています。

    そこから同接(同時視聴者数)が安定して数百人規模になり、スーパーチャットが毎回の配信で飛ぶようになると、月数万円〜10万円前後のラインが見えてきます。

    さらに、グッズ販売やBoothなどの通販サービス、自前のファンクラブや投げ銭サービスを組み合わせれば、年収100万〜300万円程度の「副業〜セミプロ」レベルを目指すことも現実的です。

    専業で暮らしていけるレベルを考えると、生活費や機材費、モデル制作などの初期費用の回収も含めて、少なくとも年収300万〜500万円程度は欲しいところです。

    このラインを個人勢で超えている人は、週数回以上の高頻度な配信と、企画力のある動画、継続的なメンバーシップ運営、企業からの案件依頼など、複数の収益源をうまく組み合わせているケースが多いと考えられます。

    個人勢としてVtuberで稼ぎたい場合、認知とファン作り「最初の1〜2年は収益よりも認知とファン作りへの投資期間になりやすい」ことを前提にしておきましょう。

    そのうえで、広告だけに頼らず、スーパーチャットやメンバーシップ、グッズ販売、Skebのようなイラスト依頼サービスやボイス販売など、自分のキャラクター性に合った収益源を少しずつ増やしていくと、長期的に安定した収入につながりやすいです。

    稼げるVtuberと稼げないVtuberの違い

    稼げるVtuberと稼げないVtuberの違いは、「才能の有無」よりも「戦略と継続」と「ファンとの関係づくり」ができているかどうかです。

    稼げるVtuberの特徴は、自分の強みやニッチなコンセプトを明確にしており、「この人にしかできない配信・動画」がはっきりしていることです。

    ゲームが得意なら特定タイトルに特化した攻略・縛りプレイ、歌が得意なら高クオリティな歌枠やオリジナル曲、トークが得意なら雑談・相談配信など、ファンが「このVtuberの配信を見たい」と思う理由を細かく設計できています。

    また、スーパーチャットやメンバーシップ、グッズ販売、企業案件など、収益源ごとに企画を用意し、収入のポートフォリオを意識していることも多いです。

    一方で、稼げないケースでは、「なんとなく流行っているからVtuberになった」「配信頻度がバラバラで、活動が長続きしない」「ファンとのコミュニケーションが一方通行」といった特徴が見られます。

    たとえば、モデル制作に大きな費用をかけて豪華なキャラクターを用意したものの、数回配信しただけで更新が止まり、モデル費用を回収する前に活動が終わってしまう、といったパターンです。

    稼げるVtuberは、日々の配信で名前を呼んだり、コメントに丁寧に反応したり、記念日やイベントで「ファンと一緒に盛り上がる場」を意識的に作っています。

    その結果、単発のスーパーチャットだけでなく、メンバーシップの継続やグッズ購入など、長期的な支援につながりやすくなります。

    逆に、単に「お金ください」と言うだけでは、短期的に投げ銭を得られても、安定した収入にはなりません。

    これからVtuberとして稼ぎたい人は、「どれくらい稼げるか」だけでなく、「どういうファンとの関係性を築きたいか」「どの収益源を育てるのか」を具体的にイメージしておくと、活動の方向性がぶれにくくなります。

    Vtuberで稼げる6つの収益源を徹底解説

    このパートでは、Vtuberとして稼げる代表的な6つの収益源を、それぞれの仕組みと伸ばし方のコツまで含めて整理します。

    Vtuberの収入は単一ではなく「複数の柱の組み合わせ」で成り立つとされており、どれか1つに依存しすぎない構造を作ることが安定化のポイントです。

    ここからは、YouTube広告収入・スーパーチャット・メンバーシップ・グッズ販売・企業案件・イベント出演/ファンクラブの6つについて、「どういう仕組みでお金が入るのか」「どのくらいの規模になりうるのか(あくまで一例)」「個人勢と企業勢で何が違うのか」を順番に解説します。

    まずは全体像をつかむために、6つの収益源の特徴を一覧表で確認しておきましょう。

    収益源主な発生タイミング収入の安定度(目安)伸ばすためのポイント
    YouTube広告収入動画・配信の再生ごと中(再生数や単価次第で波が出やすい)検索される動画・アーカイブを増やす
    スーパーチャットライブ配信中の投げ銭低〜中(イベント時に大きく跳ねる傾向)記念配信や企画枠で盛り上げる
    メンバーシップ月額課金の継続支援中〜高(会員数が安定すれば固定収入に近づく)限定コンテンツと「特別感」を用意する
    グッズ販売新作リリース時・イベント時低〜中(一時的に大きく動きやすい)ファン心理に刺さるデザインとラインナップ
    企業案件・タイアップ案件ごとの単発報酬低〜中(人気と実績に応じて単価アップが見込める)実績公開・媒体資料でアピールする
    イベント出演・ファンクラブイベント開催時・月額課金中〜高(ファンクラブは固定収入になりやすい)コアファン向けの深いコミュニケーション

    表からもわかるように、「毎月ある程度見込めるお金」と「イベント時にドカンと入るお金」が混ざっているのがVtuberの収益構造だと考えられています。

    個人勢で専業を目指す場合は、広告やメンバーシップのような継続収入をベースにしつつ、スーパーチャットやグッズ販売、企業案件などの変動収入を上乗せするイメージでバランスを組むと、収入のブレを抑えやすくなるでしょう。

    YouTube広告収入:動画の再生で発生する基本的な収益源

    YouTube広告収入は、動画や配信の再生に応じて発生する、もっともベーシックな収益源です。

    YouTube パートナープログラムの公式ヘルプにある条件を満たし、広告をオンにすることで、再生前後や途中に表示される広告の収益の一部がVtuber側に分配されます。

    収益化の条件は、執筆時点では代表的な基準として「チャンネル登録者数1,000人以上」と「直近12か月の総再生時間4,000時間以上」などがあり、一定のハードルがあります。

    条件を満たしたあとも、広告単価はジャンルや視聴者層、視聴地域、季節(企業の広告予算)によって大きく変動し、同じ再生数でも収入が倍以上違うケースもあるのです。

    そのため、「再生数=収入」と単純には言えませんが、長期的にはチャンネルの規模に比例して伸びやすい収益源です。

    たとえば、毎日2時間のゲーム配信を行い、アーカイブがコンスタントに数千再生されるようになると、チャンネルのジャンルや視聴者層にもよりますが、月数千円〜数万円規模の広告収入が発生しているケースも見られます。

    さらに、歌ってみた系や解説系の動画など「検索や関連動画から長く再生され続けるコンテンツ」を増やせば、ライブ配信を休んでいる日でも広告収入が発生し続ける「ストック型」の収益になるでしょう。

    広告収入を育てたい場合は、「アーカイブを残す配信を増やす」「サムネイルやタイトルを工夫して新規視聴者を取り込む」「シリーズ企画で関連動画として回遊してもらう」といった基本を徹底することが重要です。

    スーパーチャットのような一撃のインパクトは小さいものの、地道に動画の本数と総再生時間を積み上げることで、Vtuber活動のベースとなる収入源になっていきます。

    スーパーチャット:ライブ配信で視聴者から直接支援を受け取る仕組み

    スーパーチャット(スパチャ)は、YouTubeライブ配信中に視聴者がコメントを有料で目立たせる「投げ銭機能」で、Vtuberの収益の中でも金額が伸びやすい柱のひとつとされています。

    視聴者は数百円から数万円までの範囲で自由に金額を選べる仕組みです。

    そのため、コアなファンが多いVtuberほど、大きな収入になりやすいと考えられます。

    具体的な仕様や制限については、スーパーチャットに関するYouTube公式ヘルプで最新情報を確認しておきましょう。

    スーパーチャットは、その場の盛り上がりに大きく影響を受ける収益で、とくに通常配信よりも、誕生日や活動◯周年、新衣装お披露目、3Dお披露目などの特別なイベント配信で一気に跳ね上がる傾向があります。

    画面の前で「おめでとう」「デビューからずっと応援してるよ」とコメントを打ちながら、記念の気持ちを込めてスーパーチャットを送る光景は、Vtuber文化を象徴するシーンのひとつと言えるでしょう。

    ただし、スーパーチャットはあくまでファンの自発的な応援によって成り立つ収益なので、「お金ください」と何度も繰り返してしまうと、短期的には投げ銭が増えても長期的な信頼は得られません。

    稼げているVtuberほど、普段からコメントを丁寧に拾い、名前を呼び、スーパーチャットが飛んだときには一言でも感謝を伝える姿勢を大事にしています。

    読み上げ専用の時間をあらかじめ設ける、金額に関係なく平等に扱うといったルールを決めておくと、視聴者も安心して支援しやすくなるでしょう。

    メンバーシップ:月額制の応援プランで継続収益を得る方法

    メンバーシップは、視聴者が月額料金を支払って「チャンネルの会員」になる仕組みで、Vtuberにとっては固定収入に近い、安定した収益源だと考えられています。

    会員になると名前の横にバッジがつき、限定スタンプが使えるようになります。

    さらに、会員限定配信や限定動画を視聴できるなど、さまざまな特典を設定できます。

    設定方法や利用条件は、チャンネル メンバーシップに関するYouTube公式ヘルプを確認しながら進めると安心です。

    収入面では、登録者数や会員数に比例してじわじわ伸びていくタイプの収益です。

    数十人〜数百人規模のメンバーがつけば、毎月の広告収入やスーパーチャットの変動をある程度カバーできるケースもあります。

    そのため、専業Vtuberやセミプロを目指す個人勢にとって、メンバーシップを育てることは長期的な活動を支える重要なテーマになります。

    メンバーシップがうまく機能しているVtuberは、「メン限雑談」や「作業配信」「歌練習」「ゲームの裏話」などの企画を用意していることが多いです。

    こうした場では、表には出さない少し深い話や、ゆるい素の姿を見せることができます。

    たとえば週1回程度のメン限配信で、今後の活動計画やグッズ制作の裏側を共有したり、ファンの相談に乗ったりするのも一つの方法です。

    その積み重ねによって、「この人を長く応援したい」という気持ちが育っていきます。

    グッズ販売:オリジナル商品を届けて収益化する物販モデル

    グッズ販売は、Vtuberのキャラクターや世界観を形にした商品をファンに届けることで収益を得る物販モデルです。

    アクリルスタンドや缶バッジ、キーホルダー、Tシャツ、タペストリーなどの物理グッズが代表的な例として挙げられます。

    企業勢の場合は、事務所やグッズ制作会社が企画から制作、在庫管理、発送までをまとめて担うケースが多いです。

    そのぶんVtuber本人は監修や収録に集中しやすくなります。

    一方で売上の多くは企業側の取り分となり、Vtuber本人の収入はロイヤリティとして一定割合が支払われる形になるとされています。

    個人勢はBOOTHなどの通販サービスやオンデマンド印刷サービスを活用することで、在庫リスクを抑えながら少量からでもグッズ販売を始められます。

    ただしデザインや制作の準備、送料設定などは自分で行う必要があることを覚えておきましょう。

    方法としては、誕生日やデビュー◯周年のタイミングに合わせて、「記念グッズセット」を販売するやり方が定番です。

    アクリルスタンドや記念ボイス、ポストカードなどをまとめたパッケージを期間限定で受注する形にすれば、特別感を出しやすくなります。

    配信内でサンプルを見せながら「このイラストは○○さんに描いてもらいました」「ここにこだわりました」と制作秘話を話すと、ファンにとっても手元に置きたい思い出としての価値が高まります。

    グッズ販売で失敗しないためには、「自分が作りたいもの」だけでなく「ファンが日常的に使いやすいもの」を優先して考えることが大切です。

    いきなり高価な大型グッズを作るよりも、ステッカーやアクリルキーホルダーなど手に取りやすい価格帯の商品から始めて反応を見ていくとよいでしょう。

    企業案件・タイアップ:企業の依頼で商品を紹介し報酬を得る活動形式

    企業案件・タイアップは、ゲーム会社やアプリ運営、メーカーなどの企業から依頼を受けて、自社商品やサービスを配信や動画内で紹介することで報酬を得る収益モデルです。

    Vtuberとしての影響力が高まるほど一件あたりの単価も上がりやすく、「少ない本数でも比較的大きな売上を作れる」のが特徴だとされています。

    継続的に案件を獲得できれば、収益の柱としても頼りになるジャンルです。

    具体的な内容としては、新作ゲームの実況配信やアプリの紹介動画、コラボ商品のPR、イベントのMC出演などがあります。

    企業勢の場合は、事務所が窓口となって案件を受けるケースが一般的です。

    その際はギャランティや条件の交渉、契約書の管理までを事務所側が担当します。

    そのぶんVtuber本人の取り分は分配率によって決まりますが、自分で営業しなくても案件が来る点は大きなメリットです。

    トラブルが発生したときに事務所が対応してくれる安心感もあります。

    個人勢でも、チャンネル登録者数や同時接続数が一定以上になり、配信や動画の内容と企業のターゲットがかみ合えば、SNSのDMやメール経由で直接案件依頼が来ることがあります。

    自分から企業や広告代理店に媒体資料を送り、アプローチするパターンもあります。

    この場合は報酬額や配信内容、納期、二次利用の範囲などの条件を自分で確認しなければなりません。

    必要に応じて書面で取り決めたうえで、無理のない範囲で受けることが重要です。

    企業案件で長く稼いでいきたいなら、目先の報酬だけでなく視聴者との信頼を最優先に考える必要があります。

    自分が本当に良いと思える商品やゲームだけを紹介する、案件であることをきちんと明示する、といった姿勢が欠かせません。

    イベント出演・ファンクラブ:リアル・オンラインで追加収益を作る場

    イベント出演とファンクラブ運営は、コアなファンとの距離をさらに縮めながら、追加の収益源を作るための手段です。

    リアル会場でのライブやトークイベント、オンラインイベント、オフラインコラボカフェなど、Vtuberのキャラクター性を活かしたさまざまな企画が行われています。

    企業勢の場合は、事務所主催の大型イベントやフェスに出演し、チケット売上やグッズ販売、配信チケットの収益から出演料が支払われる形が一般的です。

    ステージ上の大スクリーンに自分のアバターが映し出され、ペンライトを振るファンの前で歌やトークを披露する光景は、Vtuberとして活動してきた実感を強く得られる瞬間でもあります。

    一方で会場費や演出、機材、人件費など多くのコストがかかるため、収益配分の仕組みは事務所ごとに大きく異なります。

    個人勢でも、オンラインイベントや自作のファンクラブサイトを活用すれば、規模を抑えつつイベント収入を得ることが可能です。

    たとえば月額制のファンクラブを作り、限定ブログやボイス、オフショットイラストの公開、Discordコミュニティへの参加権などをセットにする方法があります。

    こうした仕組みを整えることで、YouTubeメンバーシップとは別枠でコアファンからの継続的な支援を得られて、その結果として収入の安定度をさらに高めることができます。

    イベントやファンクラブで成功するポイントは、人数の多さよりもファンとの関係の濃さを意識することです。

    無理に大人数を集めようとするより、数十人〜数百人の濃いファンが「ここにいると安心する」「この人をずっと応援したい」と感じられる場を作るほうが、長期的な活動の支えになります。

    オンラインであれば、トーク中心の小規模イベントやファンクラブ限定の打ち上げ配信など、準備コストを抑えつつ実施できる企画も多くあります。

    自分の負担にならないペースで少しずつ試していけば、無理なく続けられるスタイルを見つけやすくなるでしょう。

    【個人勢必見】Vtuberとして稼げるようになるまでの戦略とコツ

    このパートでは、個人勢Vtuberが実際にお金を得るところまで到達するための具体的な手順を整理します。

    Vtuberとして稼げるようになるには、まずYouTubeパートナープログラム(YPP)の公式な収益化条件をクリアし、そのうえで複数の収益源を組み合わせることが重要です。

    まずは、個人勢Vtuberが収益化を目指すうえでの全体のロードマップを簡単に整理しておきましょう。

    活動フェーズ主な目標優先する指標意識したいポイント
    準備〜デビュー直後世界観・キャラクター設定の固め/配信環境の整備初配信の同接・X等のフォロワー数無理のない配信スケジュールと自己紹介動画の制作
    収益化前(〜登録1,000人)YouTubeパートナープログラムの条件達成登録者数/総再生時間4,000時間など検索される動画と定期配信の両方を育てる
    収益化直後広告・スパチャで月数千円〜数万円規模の収益を安定させることを目指す平均同接/アーカイブ再生数記念配信の企画・固定枠の定着
    伸び期〜セミプロメンバーシップ・グッズ・案件など収益源の拡大メンバー数/グッズ販売数/案件実績コアファンと深くつながるコンテンツづくり
    専業・長期継続期収入の安定化と活動負荷の調整月間収益の平均値/継続年数無理のない配信頻度と健康管理・制作体制の外注

    どのフェーズにいても、「いきなり全部を完璧にやろう」とする必要はありません。

    まずは登録者1,000人を最初の目安のゴールに置き、その段階で身につけたいスキルや配信スタイルに集中することで、結果的に稼げるVtuberへの近道になりやすいと考えられます。

    収益化の第一歩はYouTubeチャンネル登録者数1000人の達成

    個人勢Vtuberが「お金を得る」スタートラインに立つには、一般的にはYouTubeチャンネル登録者数1,000人と直近12か月間の総再生時間4,000時間など、YouTubeパートナープログラム(YPP)の条件を達成し、広告収入を得られる状態にすることが第一目標とされています。

    これらの条件を満たしていない間は、YouTube上の広告収入や、YouTubeが提供するスーパーチャット・メンバーシップなどの機能は利用できません。

    そのため、どれだけクオリティの高い配信をしても、YouTube内での収益はほぼゼロのままになってしまいます。

    登録者1,000人までは、「とにかく長時間配信する」よりも、「見つけてもらえる動画を増やす」ことを意識したほうが効率的だと言われています。

    具体的には、人気ゲームの新作やアップデート直後の攻略・感想、よく検索されるお役立ち系の解説動画(配信機材の紹介、歌ってみたのMIXの始め方など)を短めにまとめたアーカイブを増やしていくのがおすすめです。

    これらは検索や関連動画から新規視聴者が入りやすく、一本の動画が長期的に再生されることで、総再生時間の条件達成にもつながりやすくなります。

    ライブ配信は「ファンとの関係づくり」に特化させると効果的です。

    たとえば、週2〜3回の定期配信枠を決め、タイトルに「初見さん歓迎」「自己紹介します」などと入れておくと、新規の人も入りやすくなります。

    配信中は、コメントで来た名前をしっかり呼ぶ、最初と最後に自己紹介を入れる、アーカイブ勢にもわかるようにゲームの進行状況をこまめに説明するなど、丁寧な対応を心がけると、登録ボタンを押してもらえる確率が上がりやすいでしょう。

    登録者数を伸ばすためには、YouTube内だけでなく、X(旧Twitter)やTikTokなどの外部SNSの活用も有効だとされています。

    配信の切り抜きやショート動画を投稿し、「このライバー面白そう」と思ってもらえた人をYouTubeに誘導する導線を作りましょう。

    たとえば、盛り上がったシーンの30秒クリップにテロップを入れて投稿し、説明欄に「本編はこちら」とチャンネルURLを記載するだけでも、少しずつ登録者が増えていくケースがあります。

    登録1,000人まではどうしても伸びが遅く、心が折れそうになる時期です。

    しかし「毎月◯本の動画アップ」「週◯回の配信」のように行動目標を数字で決めておくと、モチベーションを保ちやすくなります。

    最初の壁を越えれば、広告・スパチャ・メンバーシップなど収益化の選択肢が一気に広がるため、「ここを抜ければVtuberとして稼げる土台に立てる」と考えて、無理のない範囲で粘り強く続けることが大切です。

    競合と差別化する「ニッチなコンセプト」と「専門性」を確立する

    多くのVtuberが活動する中で稼げるライバーになるには、「なんとなく可愛い・なんとなくゲームがうまい」だけでは埋もれてしまうため、ニッチなコンセプトと専門性をはっきり打ち出すことが重要だと考えられています。

    視聴者が配信を選ぶときは、「この人は◯◯の人」と一言で説明できる特徴があるほど、記憶に残りやすくなります。

    ニッチなコンセプトとは、「大きなジャンルの中の、さらに絞り込まれたテーマ」のことです。

    たとえば、単なる「ゲーム配信」ではなく、「ホラーゲーム専門」「レトロRPG縛りプレイ」「インディーゲーム開拓系」といった形で特化すれば、そのジャンルが好きなファンに刺さりやすくなります。

    ゲーム以外でも、「歌枠中心だけど昭和歌謡に特化」「資格勉強配信」「3Dモデリング作業配信」など、自分の得意分野や仕事の経験を活かした活動を打ち出すと、他のVtuberと競合しにくいポジションを取りやすくなるでしょう。

    専門性は、必ずしも高度なスキルである必要はありません。

    「毎日◯時から朝活配信を続けている」「視聴者の悩み相談に真剣に向き合う」「同人グッズの制作過程を共有する」など、あるテーマを継続して深掘りしているだけでも立派な専門性になります

    配信タイトルやチャンネル説明欄、Xのプロフィールに「◯◯系Vtuber」「◯◯が得意なライバー」と明記しておくと、検索やおすすめから来た人にも一目で伝わります。

    コンセプトを決める際は、「自分が長く続けられるかどうか」と「視聴者にとってわかりやすいかどうか」の両方をチェックしましょう。

    たとえば、仕事でデザインをしている人が「デザインの裏側を語るVtuber」として活動すれば、実体験に基づいた話ができるため説得力が出ますし、グッズ販売や案件制作にもつなげやすくなります。

    逆に、流行りだからと無理に苦手ジャンルに手を出すと、ネタ切れや燃え尽きで活動が止まりやすくなると言われます。

    一度決めたコンセプトは、視聴者の反応を見ながら少しずつ変えていけば問題ありません。

    「ホラーゲーム多めの雑談Vtuber」だった人が、リスナーの反応から恋愛相談や人生相談枠に手応えを感じて、「お悩み相談系ライバー」として専門性を強めていくケースもあります。

    大切なのは、「あなたのチャンネルに来ると、どんな体験ができるのか」を明確にし、そのイメージに沿った活動を積み重ねることです。

    複数の収益源を組み合わせることも大事

    個人勢Vtuberが安定して稼げるようになるには、前述の6つの収益源を組み合わせ、広告収入・スパチャ・メンバーシップ・グッズ販売・案件・イベント/ファンクラブのバランスを自分なりに調整していくことが重要だと考えられています。

    どれか1つに依存しすぎると、アルゴリズムやトレンドの変化で収入が大きく落ち込むリスクが高まります。

    たとえば、副業レベルの収入を目指す段階では、「広告+スパチャ+少量のグッズ販売」を中心にしつつ、メンバーシップは少人数からゆるやかに育てていく構成が現実的です。

    専業を視野に入れるレベルになったら、「メンバーシップやファンクラブのような月額課金」を軸に据え、そこにスパチャや案件、イベント出演といった変動収入を上乗せする形にシフトしていくと、月ごとの収入のブレを抑えやすくなります。

    ここで、典型的な「個人勢Vtuberの収益ポートフォリオ例」をイメージしやすくするために、構成パターンを整理してみます。

    あくまで一例であり、必ずしもこの通りになるわけではありません。

    活動スタイル主な収益の柱サブの収益源向いている人の例
    配信メイン型スパチャ/メンバーシップ広告/グッズ販売毎日〜高頻度で配信できる・雑談やゲームが好き
    動画・解説型広告収入メンバーシップ/案件編集が苦にならない・専門知識や経験がある
    歌・音楽型配信/音源販売/ライブイベントグッズ販売/ファンクラブボーカルや楽器が得意・ライブ志向
    クリエイター型グッズ制作/外部案件広告/メンバーシップイラスト・3D・MIXなど制作スキルを持っている

    同じ「Vtuber 稼げる」といっても、どの収入源を太くするかで必要な準備や日々の活動内容が大きく変わります。

    たとえば、配信メイン型なら長時間配信とコミュニケーション力が武器になりますが、動画・解説型なら編集スキルとネタのリサーチ力が重要になります。

    自分の性格や生活リズム、使える時間を踏まえて、「どの型に近づきたいか」を決めておくと、迷いが減り、投資すべき費用や時間の優先順位もつけやすくなるでしょう。

    収益の組み合わせは一度決めたら終わりではなく、チャンネル規模やファン層の変化に合わせて定期的に見直すことが大切です。

    「最近は広告よりメンバーシップの比率が高くなってきたから、コアファン向けのコンテンツを増やそう」「案件の依頼が増えてきたので、媒体資料を整えて単価交渉もしやすくしよう」といった見直しを行うことで、より稼ぎやすいVtuber活動へと近づけていけます。

    継続的な活動のための「配信頻度」と「コンテンツの質」のバランス

    個人勢Vtuberが長く稼ぎ続けるには、「配信頻度」と「コンテンツの質」のバランスを取ることが欠かせません。

    どれだけ収益モデルが優れていても、活動が続かなければ意味がなく、逆にクオリティを追い求めすぎて更新が止まってしまうと、アルゴリズム的にもファン心理的にも不利になってしまうとされています。

    目安としては、本業や学業と両立する個人勢なら「週2〜3回の配信+月数本の動画(またはショート)」程度から始めるのがおすすめです。

    最初から毎日配信を目指すと、準備やサムネ制作、事務的な作業が積み重なり、数か月で燃え尽きるケースも少なくありません。

    まずは無理なく続けられる頻度を決め、その範囲で「一本一本の配信や動画の満足度をどう高めるか」を考えたほうが、長期的には収益につながりやすくなると考えられます。

    コンテンツの質を上げるといっても、いきなり完璧な編集や高価な機材を揃える必要はありません。

    多くの場合、「企画のわかりやすさ」「冒頭1〜2分の掴み」「音声の聞きやすさ」を改善するだけでも、視聴者の離脱率は大きく変わるとされています。

    たとえば、ゲーム配信なら最初に「今日は◯◯のボスに挑戦します」「この縛り条件でクリアを目指します」とゴールを明確に伝えるだけで、アーカイブ勢も最後まで見たくなるでしょう。

    雑談配信ならあらかじめ3〜5個のトークテーマをメモしておくだけでも、沈黙の時間が減り、テンポの良い配信になります

    配信頻度と質のバランスを客観的に見るために、月に一度でよいので「活動の振り返り」をする習慣をつけてみてください。

    カレンダーに配信日と内容を書き出し、「今月は合計何時間配信したか」「どの配信が一番スパチャや登録増につながったか」「どの企画が自分も一番楽しかったか」を簡単にメモしておきます。

    これを数か月続けると、自分のチャンネルで伸びやすい企画や、負担が少ない配信スタイルの傾向が見えてきます。

    最終的には、「多少疲れていても無理して毎日配信する」よりも、「自分のペースを守りつつ、一本一本の配信や動画の価値を少しずつ高めていく」ほうが、ファンとの信頼関係も収益も安定しやすくなるでしょう。

    Vtuberとして稼げるかどうかは、短期間のバズよりも、1年・2年と活動を続けられるかどうかで決まるとされています。

    自分の生活や体調を大切にしながら、長距離走のつもりで配信計画を立ててみてください。

    さらに稼げる?企業勢Vtuberの収入構造とメリット・デメリットを紹介

    このパートでは、いわゆる「企業勢Vtuber」がどのような収入構造で活動しているのかを整理し、個人勢との違いやメリット・デメリットを解説します。

    企業所属は、一定のサポート体制によって比較的安定して活動しやすい一方、収益分配や活動の自由度といった面で制約も生まれやすいとされています。

    まずは、典型的とされる企業勢Vtuberの収入の流れを、個人勢と比較しながら見てみましょう。

    項目企業勢Vtuber個人勢Vtuber
    主な収入源(場合により)給与・固定報酬+配信収益(広告・スパチャ・メンバーシップ)+グッズ・案件・イベント出演料配信収益(広告・スパチャ・メンバーシップ)+グッズ・案件・イベント出演料
    収益の受け取り方売上はいったん企業に入り、契約内容に応じてライバーへ分配プラットフォームや自分の口座に直接入金
    モデル・機材費用企業が全額または一部を負担することが多い自腹で準備するのが基本
    活動サポートマネージャー・制作チーム・事務手続きなどのサポートが用意される場合が多い基本は自分で行う(外注する場合は自費)
    収益分配率企業とライバーで分配(詳細は契約次第・非公開が一般的)プラットフォーム手数料を除き、ほぼ自分の取り分
    活動の自由度ガイドラインや企画の制約がある原則自由だが、すべて自己責任

    企業勢は「一人で全部準備する必要がない代わりに、稼いだお金の一部を企業とシェアする」構造になっているケースが多いと考えられます。

    個人勢で自力で伸ばすか、企業のブランドとサポートを借りて伸ばすかは、どちらが正解というよりも、自分のスタイルやリスク許容度によって選ぶべきポイントだと考えてください。

    企業所属のメリットは基本給と活動サポートの充実

    企業勢Vtuberの大きなメリットは、「安定した収入の土台が用意されている場合があること」と「活動を支えてくれるサポート体制」があることです。

    個人勢のように、デビュー前からすべての費用や準備を自分で負担しなくても、比較的スムーズに配信活動を始められる環境が整えられているケースが多いとされています。

    まず、一定規模の企業では、ライバーに対して基本給や固定報酬を支給することが多いようです。

    金額や有無は企業や契約形態によって大きく異なり、公表されていないことも多いため一概には言えませんが、「配信収益が少ない月でも最低限の収入がある」という安心感が得られる契約形態も存在すると考えられています。

    特に、専業でVtuberとして稼ぎたい人にとっては、毎月の家賃や生活費をカバーしやすくなる可能性がある点は見逃せません。

    さらに、企業に所属すると、以下のようなサポートを受けられるケースが多いです。

    企業所属で受けられるサポート
    • Live2D/3Dモデルの制作・衣装追加など、キャラクターまわりの制作費用の全額または一部負担(Live2D自体の仕様や仕組みはLive2D公式サイトで確認できます)
    • マイク・オーディオインターフェイス・照明など、配信機材の準備や貸与
    • 配信スケジュール管理やコラボ調整を行うマネージャーのサポート
    • 案件営業・契約・請求書発行など、事務手続き全般の代行
    • トラブル対応や炎上時の広報サポート・法務的なアドバイス

    たとえば、個人勢の場合はLive2Dモデルの制作だけで数十万円の費用がかかることもあり、「モデル費用を回収できるまで稼げるのか」が大きな不安になります。

    企業勢であれば、その初期投資を企業側が全額または一部負担してくれることが多いため、ライバー本人は配信や動画制作に集中しやすくなります。

    グッズ販売やリアルイベントも、企業が企画・制作・販売を一括で行ってくれることが多く、ライバーは出演や宣伝に専念できるのもメリットです。

    もう一つの利点は、企業ブランドによる集客力です。

    大手事務所に所属しているだけで、「この箱の新しいライバーだから見てみよう」とファンが来てくれることがあり、デビュー直後からある程度の同時視聴者数やチャンネル登録者数を得やすくなる傾向があると言われています。

    個人勢がゼロから積み上げるのに比べて、「稼げるVtuber」を目指すうえでスタートダッシュを切りやすい環境だと言えるでしょう。

    こうした理由から、「配信やトークには自信があるけれど、機材や事務作業の準備が不安」「将来的には専業で活動したいので、安定した土台を作りたい」という人にとって、企業所属は有力な選択肢になり得ます。

    ただし、次の項目で解説するように、収益分配や活動の自由度には注意が必要です。

    企業所属のデメリットは収益分配率と活動の自由度

    企業勢Vtuberには多くのメリットがある一方で、「収益分配率」と「活動の自由度」という2つの大きなデメリットも存在するとされています。

    ここを理解せずに「企業勢なら楽に稼げるはず」と考えてしまうと、あとでギャップに悩むことになりかねません。

    まず、収益分配率については、スーパーチャットやメンバーシップ、グッズ販売、案件などの売上は、いったん企業に入り、そこからライバーに分配されます。

    このとき、YouTubeなどプラットフォーム側の手数料に加えて、企業の取り分が発生するため、最終的にライバーの手元に残る割合は個人勢よりも低くなりがちだと考えられます。

    具体的なパーセンテージは契約内容によって大きく異なり、非公開であることが多いため一概には言えませんが、「大きく稼ぐほど企業側の取り分も増える」構造である点は押さえておきましょう。

    たとえば、同じ金額のスパチャをもらった場合でも、個人勢ならプラットフォームの手数料を引いたぶんがほぼそのまま収入になりますが、企業勢ではそこからさらに事務所分配が行われます。

    結果として、「数字上はかなり稼いでいるように見えるのに、実際の月収は想像より少ない」と感じるライバーもいるとされています。

    もちろん、その代わりにモデル制作費やグッズ制作費、事務作業を企業が負担しているため、単純な損得の話ではありません。

    「売上=自分の収入ではない」ことは意識しておく必要があります。

    次に、活動の自由度について、企業勢はブランドやコンプライアンスを守る必要があるため、配信内容やコラボ相手、使用するゲーム・アプリ、SNSでの発言などにガイドラインが設けられます。

    具体的には、以下のような制約がかかることがあります。

    企業所属でかかりやすい制約
    • 事務所が許可していない、または権利関係が不明確なゲーム・サービスは配信できない
    • 個人的な外部案件やタイアップは、事前に企業の承認が必要
    • 政治・宗教・センシティブな話題はNG、炎上リスクの高い企画は避ける
    • 他事務所や個人勢とのコラボに制限がある場合がある
    • キャラクターや名前の権利は企業に帰属し、卒業後に使えないことが多い

    たとえば、「このインディーゲームが大好きだから紹介したい」「友人の個人勢ライバーと一緒にイベントをしたい」と思っても、企業の方針や契約上の理由で実現できないケースがあります。

    また、キャラクターの権利が企業側にある場合、万が一卒業や引退となったときに、同じキャラクターで別の場所で活動を続けることは基本的にできません。

    これは、長く愛されてきたキャラクターとファンとの関係性が、一度の契約終了で断ち切られてしまう可能性があることを意味します。

    こうしたデメリットを踏まえると、「自分のペースで好きな企画を自由にやりたい」「キャラクターの権利を自分で持ちたい」と考える人にとっては、企業所属はストレスになる場合があります。

    一方で、「多少の制約があっても、安定した環境とサポートを優先したい」という人にとっては、企業勢は非常に魅力的な選択肢です。

    Vtuberとして稼げるようになりたいのであれば、収入額だけでなく、自由度やリスク、キャラクターの将来まで含めて、自分に合った形をじっくり検討してください。

    【FAQ】Vtuberの稼ぎに関するよくある質問

    このパートでは、「Vtuberとして本当に稼げるのか?」というよくある3つの疑問に答えます。

    具体的には、モデル費用の回収時期、YouTube以外のプラットフォームを使うべきかどうか、そしてAIで作ったVtuberでも収益化できるのかを整理します。

    個人勢・企業勢どちらを目指す人にとっても、活動を始める前に知っておきたい現実的なラインをイメージしやすくなるでしょう。

    モデル費用を回収できるまで稼げる?どのくらいかかる?

    モデル費用を回収できるかどうかは、活動内容や頻度、伸び方によって大きく変わります。

    早い人で数ヶ月、多くは1〜2年、それ以上かかる・結果的に回収できない場合もあるなど、人によって幅があります。

    特に個人勢は、Live2Dモデルや機材などの初期費用を自腹で用意する必要があるため、「本当にVtuberで稼げるようになるのか」を慎重に考える場面が多いはずです。

    まず、初期費用の内訳を整理しておきましょう。フルオーダーのLive2Dモデル制作で数万円〜数十万円、マイクやオーディオインターフェイスなど配信機材に数万円前後かかるケースが一般的です。

    ここにサムネイルやBGMなどの素材を外注すれば、さらに費用は膨らみます。

    一方で、既製品のモデルや比較的安価な機材で始めれば、初期投資をかなり抑えることもできます。

    つまり、どこまでクオリティにこだわるかで、「回収すべきハードル」の高さ自体が変わると考えてください。

    次に、「どうやって回収していくか」という収益について、YouTubeの広告収入は一般的に単価が低めとされるため、登録者や再生数が少ないうちは大きな金額にはなりにくいのが実情です。

    初期費用を回収しやすいのは、スーパーチャット・メンバーシップ・ボイスやグッズ販売といった、コアなファンによる直接支援の比率が高い収益です。

    たとえば、普段の同時接続数が数十人規模でも、誕生日配信や記念日配信でまとまったスパチャをいただければ、1回のイベントで数万円以上の収益になるケースもあります。

    ただし、これはあくまで「うまくいった場合」の一例です。

    実際には、登録者1,000人・総再生時間4,000時間といったYouTubeの収益化ラインに到達するまでに1年以上かかるVtuberも少なくありませんし、毎日配信しても思うように伸びない時期もあります。

    モデル費用を回収できないまま活動をやめてしまうケースも、決して少なくありません。

    そのため、「必ず回収する前提」ではなく、「趣味として続けても後悔しない金額か」「副業として少しずつ伸ばしながら、様子を見て追加投資するか」といった視点で予算を決めるのがおすすめです。

    個人勢で始める場合は、いきなり高額な依頼をせず、最初は既製モデルや低価格帯の制作プランを選び、ファンがついてきたら衣装追加や3D化などにステップアップする形が現実的です。

    企業勢を目指す人は、モデルや機材の費用を企業が負担してくれる代わりに収益分配が発生する、という前提も踏まえつつ、自分に合ったリスクの取り方を考えてみてください。

    YouTubeだけでなく複数プラットフォームで稼ぐのがおすすめ?

    中長期的に稼げるVtuberを目指すなら、YouTubeに軸を置きつつ、複数プラットフォームを組み合わせて収益源を分散する戦略が有効とされています。

    ただし、最初から配信先を増やしすぎると準備や事務作業が増えて負担が大きくなるため、フェーズごとに段階的に広げるのが現実的です。

    まず、YouTubeは動画アーカイブ・ライブ配信・広告収入・メンバーシップなど収益化の選択肢が多く、検索やおすすめから新規ファンに見つけてもらいやすいのが強みです。

    一方で、スパチャ文化が強いのはYouTubeだけではなく、Twitchの投げ銭やサブスク、ニコニコ動画や国内配信サービスのギフト機能、音声プラットフォームの有料チケットなど、他のサービスでも視聴者からの支援で収益を得られる仕組みがあります。

    実際に、あるVtuberは「YouTubeはアーカイブと歌ってみた動画」「雑談やゲームはリアルタイム性の高いアプリで配信」といった形で、役割分担をしているケースもあります。

    プラットフォームごとにファン層や盛り上がるコンテンツの傾向が異なるため、複数の場所にチャンネルを持っておくことで、「どこか一つのサービスの仕様変更や広告単価の変動に収入が左右されるリスク」を下げられると考えられます。

    たとえば、YouTubeのアルゴリズムが変わって動画の再生数が落ち込んでも、Twitchのサブスクやスタンプ、BOOTHや自分のECサイトでのグッズ販売、ファンクラブの月額課金など、別の収益源でカバーできる可能性があります。

    とはいえ、プラットフォームを増やせば増やすほど、配信スケジュールの管理やアーカイブの整理、コメント対応、収益の管理など、事務的な負担も増えてしまうでしょう。

    個人勢の場合、とくに税金や確定申告の管理も自分で行う必要があるため、「稼げるVtuberになりたいからとにかく全部やる」というより、「まずはYouTubeで土台を作り、一定のファンがついたら、相性の良いサービスを1〜2つ足していく」くらいの順番が無理のない進め方です。

    まとめると、「YouTubeだけでも稼ぐことは可能だが、リスク分散と収益最大化のためには複数プラットフォームでの展開も視野に入れておくと良い」というイメージです。

    そのうえで、自分の生活リズム・配信スタイル・事務作業に割ける時間を踏まえ、背伸びしすぎない範囲で拠点を増やしていきましょう。

    AIで作ったVtuberでも稼げる?

    AIで作ったVtuberでも収益化は理論上可能ですが、現状では「技術的な新しさだけで大きく稼げる」ケースは多くありません。

    最終的には、ファンが「キャラクターや中の人にどれだけ愛着を持てるか」が成否を分けると考えられています。

    AI生成のモデルや音声を使えば制作費用を抑えやすい一方で、権利やプラットフォーム規約への配慮がこれまで以上に重要になるでしょう。

    最近は、AIイラストでキャラクターを制作したり、AI音声で歌やセリフを生成したりするサービスが増えています。

    これらを組み合わせれば、従来より低コストでVtuber活動を始められるのは大きなメリットです。

    たとえば、「最初はAI生成の立ち絵と無料アバターで配信を始め、ファンが増えてきたらLive2Dモデルを依頼する」という段階的な進め方は、初期投資を抑えつつ活動の手応えを確かめるうえで有効です。

    ただし、AI Vtuberとして稼ぐうえでは、いくつか注意点があります。

    第一に、AIで生成したイラストや音声の商用利用が許可されているかどうか、利用規約を必ず確認する必要があります。サービスによっては「商用利用不可」「特定プラットフォームでの配信はNG」「クレジット表記が必須」など、細かな条件が定められている場合があります。

    これを守らないと、後から動画削除やアカウント停止といったリスクが生じかねません。

    第二に、視聴者が「なぜこのVtuberを応援したいのか」という動機をどのように作るか、という問題があります。

    AIで自動生成された配信や動画は一時的な話題にはなりやすいものの、「この人の配信だから見たい」「このキャラクターが好き」といった感情的なファン化につながりにくいことがあります。

    AIをうまく使っているVtuberは、あくまでAIを「編集や制作を助けてくれるツール」として活用しつつ、企画力やトーク、ストーリー性など、人間ならではの要素で差別化していることが多いと言われています。

    YouTubeなど主要プラットフォームは、AI生成コンテンツに関するガイドラインを順次整備しており、「AIによる生成であることのラベル表示」や「他人の声・キャラクターを模倣したディープフェイクの禁止」などのルールが強化されています。

    AI Vtuberとして収益化を目指す場合は、公式のポリシーを定期的に確認しつつ、「他者の権利を侵害しない」「視聴者を誤解させない」ことを徹底することが欠かせません。

    そのうえで、AIをうまく取り入れ、自分の負担を減らしながら創作や配信の幅を広げていくことが、これからのVtuber活動で稼ぐための現実的なスタイルだと言えるでしょう。

    まとめ:収益モデルを理解して自分に合ったVtuber活動で稼ごう

    この記事では、「Vtuberはどれくらい稼げるのか」という疑問に対して、企業勢・個人勢それぞれの収入の目安から、具体的な収益源、さらに収益化を目指すまでの考え方や手順を一通り整理してきました。

    結論として、Vtuberは一部のトップライバーのように大きく稼げる可能性がある一方で、「始めれば誰でも高収入になれる」という世界ではないということです。

    自分の条件に合ったやり方を選ぶことが、無理なく続けて収益を伸ばしていくための前提になります。

    ここでは、これからデビューを考えている人・すでに活動中の人それぞれに向けて、「自分に合ったVtuber活動」を選ぶための整理表を用意しました。

    タイプ向いている人の特徴重視したいポイント
    個人勢メインで活動自分のペースで配信したい/企画や制作を自分で決めたい/初期費用や事務作業を自分で管理できる初期費用と回収プランの整理/収益源の分散/配信頻度と生活のバランス
    企業勢を目指すオーディションに挑戦したい/準備や制作のサポートを受けたい/一定のスケジュールやルールを守れる収益分配率や契約条件の理解/活動の自由度とのトレードオフ/長期的なキャリアプラン
    副業・趣味寄りで活動本業や学業がメイン/リスクを抑えて始めたい/「好き」を優先して続けたい無理のない配信頻度設定/低コストなモデル・機材選び/「元を取る金額」の目安を決める
    収益最大化を目指す配信に多くの時間を割ける/分析や改善が好き/長期的にVtuberとして収益を伸ばしていきたいニッチなコンセプトと専門性の確立/複数サービスでの展開/グッズやイベント、案件などの多角化

    焦らず、自分のペースで試行錯誤しながら、あなたにとって納得のいくVtuber活動を築いていってください。

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